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フリッツ・ライナー
Fritz Reiner
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フリッツ・ライナーは1888年ハンガリーに生まれ1963年にアメリカで没した指揮者です。古くはドレスデン宮廷歌劇場などヨーロッパで活躍していましたが1920年代アメリカに渡り、ピッツバーグ交響楽団(1938-46)、メトロポリタン歌劇場(1948-53)、シカゴ交響楽団(1953-63)などの常任指揮者を歴任し、特に1953年から約10年間その常任指揮者の座を置いたシカゴ交響楽団と輝かしい演奏の記録はRCAレーベルに多くのレコードとして残されています。得意とされているレパートリーはお国もののバルトークやそしてリヒャルト・シュトラウス、ワーグナーなどと言われていますが、小生はバッハ、ハイドン、ベートーベン、ブラームスなどのドイツ音楽もまず挙げられると思います。また、スタジオ録音はほんのわずかしか残されていませんが、オペラ指揮者としても数々の作品を指揮しました。

彼の指揮ぶりは1995年に発売された「The Art of Conducting」でのベートーベン交響曲第7番(1961年)や、映画「カーネギー・ホール」でのハイフェッツとのチャイコフスキー(1946年)、その他の海賊版などから見ることができます。特に「ベト7」は数々のエピソードにもあったようにその指揮振りの小さいことが大変よくわかります(あまりに小さいことから「チョッキ・ビート」と呼ばれていたことは有名)。音声も「カーネギー・ホール」やシカゴ交響楽団制作盤のインタビューなどから聞くことができます。


彼の演奏の特徴はまずそのダイナミックで強固な音楽作りにあります。小細工することなく、楽曲の持ち味を純粋に引き出すタイプなので、曲によっては一聴すると意外とあっさりして味けないものに聴こえるかもしれません。しかしじっくり聴いてみると、その引き締まった音楽と妥協を許さない姿勢が聴き手に感動を与えます。特にRCAに録音されたレコードにその特徴が出ていると思います。特に晩年の演奏はかつての彼の頑固さ、ほどよい威圧感からはなれ、澄み切ったひとつの境地をみるようで大変興味深いものがあります。最近陽の目を見た一連のライブ録音では音質と演奏の全体の完成度は若干落ちますが、実況録音ではスタジオ録音にはない自由さが加わっていると思います。





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