今月へ
2007.11月分

[細くささやく]

11月26日
 通りすぎてまた戻ったのは、道路の端に絡まっていた細いブルーのせい。
かすかな声で、何かをささやいている。楽しさの名残をこんな形で陽に
さらして、地上を祝っているのかもしれない。クラッカーから飛び出して
どのくらいたったのか、風にも吹かれ、陽差しにも注がれて、今度は
どこへゆくのだろう。

 あまねさんがミクシーのアルバムコーナーで通路の細幅の鏡に映った「光の十字」を
載せてくださっていて、とてもはっとしました。鏡の映像は不思議です。
 西元直子さんが画家の赤塚祐二さんと見てくださった。赤塚さん。機会がありましたら
ぜひ展示のことをお教えください。よろしくお願いします。
 芦田みゆきさんも「ただいま」の集まりの帰りに再度の川口さん、西元さんと見てくださったのでした。
 島野律子さんが花を人のように見た感想をくださって似た感じを持っているのが嬉かった
です。また、なおかたひらさんもありがとう。
 浅草のお酉さまから回ってくれたのは薦田愛さんと、関富士子さんでした。喧噪から
静かなところへのチューニングは大変だったかもしれないです。季節を感じ印象深いです。
山本洋介さんもお友達と見てくださってありがとう。辻和人さんもありがとうございます。
 また野木京子さん。お出かけくださってありがとうございました。口コミもありがとう
ございました。
 そして、おそらく、写真家の三宅章代さん。(サイトの写真に銀座の地図を持っている
写真があったので)ありがとうございました。




[風も音も]

11月22日
 ここに大気があるから、風の揺れや流れが起こっているということを
あまり考えたことがなかった。ここに大気があるから音が聞こえ、波となって
振動となって伝わってくる、ということなんかあまり意識したりしない。
でも雲は流れ、消えながら風に帰ったり、雨に帰ったり水素になって漂っていたり
する。いつも。いつのときも。空へ向けて手を差し入れると、皮膚をうっすらと
さわってゆく風があった。
「かぐや」が送ってきた月から撮った地球は青い球を
白い雲が巡って、輝いていた。その星で私たちは呼吸している。
月には風もないし音もない。そう、大気がないから。
宇宙には風もかないし音もない。
大気のあるここで呼吸している。風に吹かれる。揺れる木の枝をながめる
それがどんなに凄いことか、はっとする。
 







[詩  響き]

11月21日

響き


しんと空気の冷えた夜に空を見上げると
都市のビルの上にも 
瞬く星の
固い音が聞こえる 
砕かれて氷の光が飛び散るときの
あの音は
夢の中で凍ってしまった木の葉が砕ける音に似ている
小さな叫びはいつも
わたしの深くで起こり どこにも届かない

たくさんの木の葉が砕け落ち
いつも傷だらけになって目がさめる
砕けた木の葉のカケラを
なぜ拾ってしまうのか

そのままにしておけない
忘れて いつかふとしたときに
差し込む陽差しが溶かすかもしれないのに
 
 





[銀座を少し歩く]

11月16日
 某所の詩と写真をみてくださった方々からメールやお手紙をいただき
ました。励まされます。(メールをいただければ某所をお知らせできます
よろしくお願いします)

 きょうは鈴木志郎康さんから感想のメールをいただいて、
「写真は光をつかまえた綺麗な写真でした。内に溜めた涙の滴を光らせる、
という言葉とぴったりでしたね。」とあって伝わった!と思い元気が出ました。 
金子千佳さんからは、公園の木々の風景を映した写真つきで
感想のお手紙をいただきました。椿のことを覚えていてくださったことが
とても驚きで、またうれしかったです。筏丸けいこさん、白鳥信也さんから
もメールをいただきました。池田俊晴さん大橋弘さんも見てくださったよう
で、感謝です。

 そして昨日京都から用事でいらした河津聖恵さんを急遽昨夜遅く某所まで案内する
ことになりました。
いろいろお話していて、詩のテラス11月13日に川口晴美さんが
「通路のコトバ、コトバの通路」というタイトルで感想を書いてくれて、それを
読んでいたので、こういう場所だったのかと来て満足したと河津さんがふと呟いた
のでした。それを耳にして、このようなよい繋がりを持てて私は幸せものだと思い
ました。

 数日前は、出縄由貴さんが見に来てくれました。出縄さんが厚いメモ帳一冊全部
に絵を描いたものを見せてくれました。しきりにいたずら書きですという出縄さん。
でも言葉の入っているところなんかが、私は詩とつながっているなと感じました。
興味深かったです。

 そして、きょうは樋口えみこさんと会えました。樋口さんは新詩集『生まれて』の表紙に
私の写真を使ってくださっているのです。樋口さんが選んだのは葉の上に雫が乗っている
ものでした。今回も、私は雫を選んでいて雫はたいせつなものになっているので、
感慨深いです。

 また水嶋きょうこさんが表面張力と呼んでくれたものにはっとしました。
水嶋さんからいただいた感想の一部です。
「美しくささやかにこの世につなぎとめてくれる力(表面張力)を感じました。
見ているとあたたかくなります、そっと、包み込んでくれるような、
このままでもいいと囁きかけてくれるような蘇生する静かな力がわいてきました。
ビルの片隅、通路が開かれ、まだ先へ、光の先へ、歩いていけると思いました。」

                           (18日追記)


[さしのべる]

11月14日

枯れた木々のあいだをしずかな風の音がときおり流れすぎてゆく。
木々を見上げると骨になってしまった手のような枝が、何かに向けてさしのべられている。
その指先は、空へ向けて何かを受けようとしているのだろうか。
それともときどき訪れる鳥たちのためだろうか。
細い指と細い爪を霧に覆われた空へきりきりさしのべている。
みつめていると、ハハを想いだした。
ハハというまなざしは、このようではなかっただろうか。
霧のような他者のほうへコのほうへ、刺さってしまいそうなほど
ことばのようなまなざしをさしのべ、
そしてまなざしのなかに込められた想いはおおくは届かないまま
届かないまま、まなざしのかたちが影のようにさしのべられた霧のなかに刻まれてゆく
霧のなかに模様をつくる。
まるで霧のこころのうちの襞のように。

ハハというまなざしはチのそこからのびあがる樹木かもしれない
チのそこから空へむけてのびあがる樹木の叫びににている
鳥をもわたしがうんだと

立ち止まって見上げていたら
枯れた葉がときどきはらはらと舞い落ちている
枝から離れるときだけ
木の葉は
鳥のように空間を舞い空を飛ぶ
ことができるのだ とはっとする


地上にいて 枝の高さから地面までの葉の飛行をみつめている

一生のうち一度だけだ 葉が飛べるのは
ただ一度だけの飛行を
たった一度の一瞬を
葉が飛行している

わたしの体の隣で
わたしのおろした腕のそばで 一生のうち一度だけの飛行なのだ 
あの葉も あの葉も








[歴程祭]

11月10日
 きのう9日には歴程祭があり、歴程新鋭賞を三角みづ紀詩集『カナシヤル』が受賞され、
歴程賞は岡井隆『岡井隆全歌集』受賞されました。おめでとうございます。
 
 私は歴程のための撮影をまかされ、忙しく動きまわっておりました。
新聞社のカメラマンの方にちょっとちょっとと注意されながら、前に出て撮った一枚がこれです。
いい場所をさっとしめるプロの前に出るのはやっぱり迷惑がられます。
 家に帰って夫にその話しをすると、そんなの甘いよちょっとでも前に出たりしたら
「バカヤロー、なにやってんだ!」と怒鳴られて殴られそうになるそうです。(実業の世界)
詩の授賞式でよかった、と思いました。
 




[林のなかの静けさ]

 11月7日
 忙しく実家の用事のために出かけてしまって大切なことを書いていなくて、
気になってしまっています。
 「多和田葉子・高瀬アキ」の朗読パフォーマンス『飛魂』をシアターΧに見に行ったこと。
一緒に五十嵐倫子さんを誘って見て、言葉の意味や文字のおもしろさまでがジャズピアノと
のセッションで普通の意味合いとは別の気づきを残してこれたことなど、充実したものでした。
 また、ミクシィで知り合ったマッシュさんの絵が青山に来ていて見に行ったことなども。
はじめてマッシュさんに会えて、絵の話をしました。タイトルは「月のいと明きに」。
そうです。清少納言と現代の女子高生が枕草子の同じ一場面を目を閉じて心にイメージしている
ところでした。そのイメージも二人の後ろに絵になっているのです。ハイテクを駆使して描かれて
絵は月の光も白い球になって降っている清涼で愛らしいものでした。マッシュさんは東京は
不案内ということ。銀座の写真は見に行けたのかのかしらと、思い案内してさしあげられな
かったことをくやんでいます。



[ひらめく光]

11月2日
 ちょっと面倒な照明が切れてしまって電器店へゆくと
ひらめく光に目を吸い寄せられ、一瞬も形の定まらない
揺れに魅せられてしまった。
 きょうは私の誕生日ということもあって、生まれてから
一瞬も止まらない時間のなかを呼吸しているのだという想い
にゆきつき、すごいことだという気持ちがせり上がってくる。
 たいしたこともできていない。けれど、こうして生きて
きたことが本当はすごいことなのかもしれない、のかも。

 「詩のテラス」がご縁で倉田昌紀さんから『紀州・熊野詩集』七月堂刊
をいただいた。吉増剛造さんと倉田昌紀さんの共著の詩集になって
いて、開くと紀州と熊野の空気が流れ出してくるような、聖なる気配
につつまれ、これまでにない雰囲気を感じるのはテラスでの河津さんの
旅行記を読んだせいかしら、と思いながら、少しづつ読み始める。

 



[銀座でいろいろ話す]

11月1日
 きょうは銀座で写真家の高橋明洋さんとお会いしていろいろ話し、
大変参考になりました。カメラのことや画像保存のことや展示という
行為について文系出の私では思い着かないような観点でお話しい
ただけたことは貴重なことでした。ありがとうございます。
高橋さんは来年1月にニコンサロンで展示をなさるということで
現在制作中の例も具体的に伺って、1月が待ち遠しくなりました。
 そのあとすぐに長尾高弘さんにお会いして、詩のことや、snsの
ことなどを話しました。また私は1999年からインターネットを
はじめましたが、長尾さんはそのずっと以前からなさっていてプログラム
の専門家であり、サイトも早くから開かれて、鈴木志郎康さんに助言
なさっていた方でした。早くからサイトを開設していた関富士子
さんや樋口えみこさんの存在も含めて、長尾さん達のいらしたことが
私にとってネットを続けていく上でたいへん支えになりました。

お会いできませんでしたが、岩佐なをさん、ヤリタミサコさん、
南原充士さん、ありがとうございました。