PROLOGUE

 まだ私が学生だった頃、とある所で知り合ったごく普通の老人に「君にとって建築とは何ですか?」という問掛けを受けた。当時私は、知識や、情報だけを追い求める事だけに翻弄しており、その問掛けに言葉を詰まらせてしまった記憶がある。それ以来、私の建築へ向う旅は始まった。

 ある時はヨーロッパに出向き、歴史的建造物の街並みに感激しながら、ローマ・コロッセオにドーム球場の原点がある事や、フィレンツエのサンタ・マリヤ・デル・フィオーレ大聖堂の上空からの姿が十字架をモチーフにしている事に驚いたり、ある時は日本国内の千年以上前の歴史的木造建築物に現代建築最高技術の超高層建築の原点がある事に驚いたり、又ある時は、アジアの小国のスラム化した街に建築の原点を見る時もあった。外国を見る事が同時に日本を知る事であるという事に気がついたりもした。

 あれから20数年経ち、その問掛けの答えが少しづつだが見えてきたようである。形にこだわり、ディティールにこだわり、素材にこだわる、全ての時期を経て、私にとって建築とはシステムの構築そのものであり、形態や表現はその結果にすぎないと考えている。

 

 <システム構築についての小論> 

<光と影と風と>

<内と外>


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