村山英和の「フットボールを考える」


リクルート クラブ シーガルズ VS 五洋建設パイレーツ(2001/9/15)


 どうも村山です。いよいよ2001年の秋のシーズンが始まりました。いかがお過ごしでしょうか。今回は,ベア―ズOB,現在五洋建設パイレーツで活躍されるWR#7柳橋寛一,RB#34田代司,両氏の出場したリクルートクラブシーガルズ(以下リクルート) VS 五洋建設パイレーツ(以下五洋)の試合をお伝えします。この試合,僕は秋のシーズンの予想で注目のカードと申しましたが,その予想通り,物凄い試合になりました。以下に伝えますので宜しくお願いします。

 9月15日土曜日,今日は前から行こうと考えていたリクルートVS五洋戦を観戦に大井第2球技場に行く事にした。先週から休みはほとんどフットボールに費やされているが,まあこの歳になってもフットボールを続けられるのも幸せな事と,車で寮を10時に出発する事にする。

 ひとりで運転するとくだらない事を考えてしまう。今日考えたのは,自動ファーストダウン計測装置。先週,X3の試合の当番社でチェーンクルーをした。その時の事をふと思い出し,メジャーせずに自動でファーストダウン取ったか取っていないか計測できる事は出来ないだろうか?と考えた。メリットはメジャーする時間短縮か測定精度アップ位のもんだが,そう考えるとどうすれば実用できるかと考えてしまう。まずヤードチェーンにセンサーをつけよう。でもヤードチェーンにセンサーをつけるのはいいが,フィールドをまたぐ距離に対応するセンサーはあるのだろうか?出すほうと受ける方でフィールドに対して平行を保てるか?どうやって取ったか取っていないかを判断するのがいいのか?そうだ。ボールに何かを取り付け,それにセンサーが反応するとファーストダウンを取ったという事でチェーンの上の表示灯が点灯するようなシステムにしよう。しかしそのセンサーに反応する何かをボールにどうやって取り付けようか?パスの時はどうしようか?誰がこれを使うのであろうか?NFLだ。色々考えていると実用化は難しいと思うようになってきた。そんな事を思いながら大井第2球技場に到着する。

 ちょうど12時を過ぎたところだったが,専修VS慶応の試合が行われており,ちょうどハーフタイムを過ぎたところであった。

 フィールド隅では五洋の選手が各々スタイルしている。ちょうど柳橋君(以下やなぎ,通常親しまれているバギーではなく,今回これで通します)がスタイルしていたので,声を掛けたら丁寧にも田代君(以下ちっく,もしくはつかさと呼ばせて頂きます)も連れて来てくれた。やなぎはパントカバーと何かに出場すると言ったが,ちっくはヴィアがどうだこうだ言っていた。「まあ初戦は何が起こるかわからないから,頑張ってね」と声を掛けるとちっくは,「自分達もそのつもりで取り組んできたので頑張ります」と力強く答えてくれた。


スタイル中の田代、柳橋

 専修VS慶応の試合は,前半10−0慶応リードで折り返していたが,後半専修が逆転し,慶応が追いつくといった展開となり,残り3秒で専修のFGが決まり16−13となったところで勝負は決したように思われた。しかし直後の専修のキックオフでキッカーが足を滑らし,ちょうどオンサイドキックのようになり,(それともオンサイドキックをしたのかは定かではない)慶応が残り3秒で攻撃件を得て,そしてエンドゾーン内に放り込まれたパスが失敗したところでタイムアップとなった。

 そしてフィールドに散る五洋の選手達。試合前のパス練習ではやなぎがシュアなキャッチを見せる。そしてちっくもRBのユニットに入り精力的に練習をこなしている。

 ここで五洋のユニフォームに注目したい。このユニフォームの背番号の上には個人の名前、もしくはニックネームが縫い取られている。やなぎの背中にはT.YANAGIBASHI,ちっくの背中にはTSUKASA.Tと縫い取られている。他にもファイニーズから移籍のRB#21阿部昌悟選手はABESHO,DE#1久原祥選手はSHOと縫い取られているのが目を引いた。


試合開始前

 14:00セレモニーが始まる。それにしてもリクルートの選手達は威圧感がある。そして五洋のリターンで試合は開始。第1シリーズ。いきなり現れたのは,ちっくの言っていた近年では希少なフォーメーションのヴィアフォーメーション。RB陣は#22エースRB古谷選手と#21阿部選手で,QB#4川嵜選手がタイミングのいいパスを続けざまに通す。なるほど!とうなってしまう。そしてTE#97荒木選手へのパスが決まり一気に敵陣へ。ここでリクルートディフェンスも粘りを見せ,五洋はFGを試みるも惜しくもバーに当たり失敗。でもいい感じなんじゃないの。段々わくわくしてきた。

 第2シリーズ,ぼけっとしていると,やなぎがフィールドにいる。もう登場かと思いきやいきなりパスキャッチで8ヤードゲイン。「やなぎ,いいぞ!ナイスキャッチ!」と叫んでしまう。ディフェンスもリクルートの攻撃を一撃で仕留め,ファーストダウンを取られても,ロングゲインを許さない。気持ちの入ったいいタックルが随所に炸裂する。


プレー後の#7柳橋

 五洋ペースで進んだ第1QTR中盤,五洋P#28桜井選手の好パントとリクルート#47寺田選手のジャッグルによりリクルート陣1ヤードの地点でリクルートの攻撃開始。そして2ndダウンからの攻撃をエンドゾーン内でQBサック,セーフティーで五洋が2−0と先行する。いいぞ! その後のリクルートのキックオフから継続されたドライブをまたもFG圏内に持ち込み,第2QTR開始のプレーでK#73五十嵐選手のFGが成功する。5−0五洋リード。

 第2QTRに入っても五洋ディフェンスはいいタックルを継続し,リクルートの前進を許さない。第2QTR中盤には同じ大学出身のDE#95国元君も登場する。そしてリクルートのFG失敗等もあり,前半を5−0五洋リードで終了。大健闘と言っては失礼であるが,いやあ,久々に凄い試合になってきた。

 ハーフタイムになり,携帯電話を車の中に忘れてきた事を思い出し,車に戻ろうとしていると,いきなり「あっ,村山さん!」と女性の声がした。とうとう関東にも僕のファンが登場したのか?まあそんな事はないだろうと思い,声の主を確認すると,正川さんの所属するチームのマネージャーの小野さん(敢えて名前を出させて頂きます)で,お友達と3人で五洋側のスダンドで観戦されていた。後半からはこの女性陣3人と一緒に観戦する事になるのだが「村山さん,誰かと来られたのですか?」と質問され,「いやあ,ひとりです」と何のためらいもなく答える。「じゃあ,また後で」と言い残し携帯電話を取りに車に戻り,そしてスタンドに戻った時はちょうどハーフタイムが終わり,五洋のキックオフで試合が開始されようとしていた。


小野さんとお友達

 第3QTR開始。五洋キッカーの蹴ったボールは微妙なところに落ち,この為,リクルート陣の深いところでデッドとなったかに見えたが,反則により蹴りなおし。直後のキックオフで飛んだボールはリターンチームの2線目に入っていた#13里見選手の胸に入り,あっという間にエンドゾーンへ。一番恐れていた事が起こってしまった。TFPも決まり7−5とリクルート逆転。

 そして続く五洋のリターンでエースRB#22古谷選手が負傷。五洋ベンチから「田代!」と声がする。いよいよフィールドにちっくが登場する。これでベア―ズOBの揃い踏みである。「頑張れ!つかさ!」と思わずスタンドから叫んでしまう。ちっくはキャリーこそないものの,パスプロテクションはキッチリこなしていく。


FB#34田代のセット

 この後は,女性陣3人中,フットボールをあまり観戦された事がない方がいた為,どう観戦すればいいかの即席観戦講座を開く事にする。多分,ルールとか細かい事を言っても難しいと思い,「まずボールを追っかけましょう」と言う。これでも難しいらしい。どうしようか?「じゃあクォーターバックをずっと追いかけましょう。あの17番の選手(リクルートQB#17井上選手)をずっと目で追いかけて下さい。今後ろにボールを渡しましたね。」その次は「今パスを投げましたね」,「段々わかるようになったら,クォーターバックとその後ろにいるランニングバックを同時に見てください」と言った具合に教えていく。そうしていくと段々何をやっているかイメージが掴めてきたらしい。小野さんはキッキングの事や点数の事を聞いてくる。いつもひとりでぶつくさ言いながら見るよりはよっぽど楽しい。

 試合に戻ろう。第3QTR中盤,リクルートQB#17井上選手からWR#82寺尾選手へのスローバックのロングTDパスが決まり,リクルートが14−5と突き放す。リクルートが段々調子に乗ってきてしまった。 このままではずるずると持っていかれてしまう。しかしまたド派手なプレーが発生する。五洋ディフェンス陣がリクルートのFGトライを物凄いブロックにより,何と敵陣近く迄(いやそれ以上か)戻してしまったのである。付け加えておくが,これはブロックリターンではなく,ブロックしたボールがここまで跳ね返されたのである。

 そして勝負の第4QTRへ。RB#22古谷選手へのパスが決まり敵陣1ヤード付近迄進む。いよいよちっくのXリーグ初TDが記録されるのではないかと期待が膨らむ。まずはTBに位置する#21阿部選手にボールが渡されるが,エンドゾーンには至らない。続くプレーも同じプレー。今度はリクルートディフェンスがロスタックルに仕留めるが,これを阿部選手ファンブル,しかしエンドゾーンに転がったボールを抑えたのは五洋QB#4川嵜選手。TD!TFPも決まり14−12となる。まだこの時点で残り時間は十分あった。

 その後,QBに#11小川選手が登場したが,このクォーターバッキングには恐れ入った。サックされそうになるギリギリでボールをリリースしテンポよく短いパスを繋いでいく。この小川選手から,ちっくへ4ヤードのパスが成功する。「ちっく,おめでとう!」このプレーでちっくは負傷するが,またすぐにフィールドに戻ってくる。しかしあとわずかのところでパスが失敗し,攻撃を継続する事が出来ない。 その後,五洋のパントをまたもやリクルートリターナー#13里見選手のビッグリターン。敵陣奥深くに入られてしまう。そのリクルートの攻撃は反則で罰退したものの,QB#17井上選手がSB#35根崎選手へTDパスを決め20−12。(TFPは失敗)

 残り5分44秒で8点差。ここからまた五洋のドライブが始まる。そして敵陣に入った所でコールされたプレーは右のスィ―プ。このプレーの時,リクルートの外を守る選手は一瞬上がるのが遅れた。恐らく#45の世利選手だと思うが,FBに入ったちっくが既に早い段階でスクリメージを駆け上がっていたので,これはいけるんではないかと瞬間的に思うと,足元に完璧とはいかないまでも相手のバランスを崩すブロックを見舞い,RB#22古谷選手のビッグランに結びつける。この時のサイドライン,観客席の一体感は何ともいえない感覚があった。

 このランによりリクルート陣5ヤード以内に入った五洋オフェンスはQB#11小川選手からTE#80三枝選手へのプレーアクションパスが決まりTD!20−18。狙うのはもちろん2ポイント。プレーはパス。パスプロテクション完璧。小川選手がエンドゾーンに投げ込む。しかし投げられたボールはリクルートディフェンスの胸にすっぽり収まってしまった。無念。

 しかし,まだ3分4秒という微妙な時間が残っていた。五洋はオンサイドキックを選択。しかしこれをリクルートが抑える。今日の五洋ディフェンスは最後の最後まで集中力を切らさない。これをほとんど時間を消費させずにパントに抑えると,リクルート陣20ヤード付近から最後の攻撃。この時点での時間は残り1分29秒。最後のドライブでもパスを繋ぎ,ランで前進するが,WR#6内海選手へのパスが通ったところで無情のタイムアップ。

 ファイナルスコア:20−18リクルート勝利。五洋の皆様お疲れ様でした,攻守ともリクルートを上回ったいい試合を観戦させて頂きました,最高のゲームでしたと言いたい。そんな試合だった。サイドラインから引き上げるちっくの表情は本当に悔しさを表す険しい表情だった。

 この試合,やなぎは1キャッチ,レシーバーとしてもローテーション出場,パントカバーチームにも出場,そしてちっくもキャリーこそなかったものの,1キャッチを記録,後半ほとんどRBとして出ずっぱり,パントカバー,リターンチームと思っていた以上の出場機会を観る事が出来た事は本当によかった。今後の試合でも彼等の出場は増えるであろう。

 最後に,やなぎのコメント「人工芝がすべるんで,上手く横にカットが切れなかった」ちっくのコメント「あのブロックはいけると思いました。パントリターンでやられたのは悔しい」これが主な彼等のコメントである。ちなみにやなぎはRB#22古谷選手と似ている。大学の後輩に当たる国元君にも挨拶をした。彼にはOS花田勝氏とマッチアップする可能性があるので是非頑張って欲しい。

 女性陣,お疲れ様であった。小野さんに「村山さんのおかげで大分内容がわかるようになった」と言われた時には嬉しいものである。(お世辞かな?)でも僕の女性の好みを聞くのだけは勘弁して欲しい。とりあえず「自分でもわからない」とだけ答えておいた。

 そして日産(先日の秋の予想で日産プリンスと書きましたが日産スカイライナーズが正しいようです)VS学生援護会の試合の途中で帰る。いやあ疲れた。でも心地よい疲れだ。しかし車に戻ると駐車券を紛失,おまけにこう言うときに限って釣り銭切れ。人生なかなか上手くいかないものである。

 五洋建設の次の試合は10月2日(火)19:00〜@東京ドーム,アサヒビールシルバースター戦です。また僕の次回の観戦予定は未定です。今後とも宜しくお願いします

文責 村山 英和

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