村山英和の「フットボールを考える」 
甲子園ボウル,関西学院大学ファイターズvs法政大学トマホークス(2001/12/16)
皆さん,こんにちは。村山です。昨年に引き続き甲子園ボウルに行って参りました。 以下に伝えますので宜しくお願いします。
12月16日兵庫県地方の天気は晴れ,昨年に引き続き甲子園ボウルを観に行く。去年は雨の中ひとり寂しくの甲子園だったが,今回はひとりではない。一緒に観戦する人がいる。ベア―ズOBで現在も僕と同じチームで選手としてプレーしている岡崎さんである。岡崎さんと甲子園ボウルを観に行くのは'95年の京大vs法政戦以来6年ぶりとなる。
朝早く東京発の『のぞみ』で出発する。12時前に甲子園に到着。現地集合で待ち合わせた岡崎さんを待つ。すると岡崎さんは現れた。連れ?の方と一緒に!
岡崎さんと一緒に来られた方は僕等の父親よりも御歳を召された(昭和一桁生まれとの事)男性の方で,岡崎さんとは電車の中で甲子園ボウルの話題から発展し,一緒に観戦しようと言う事になったらしい。スタンドに向かう途中では,その方の今年の関西ディビジョンTに関するお話を聞く。面白かった。驚いたのはこの方,今シーズンの関西ディビジョンTの試合を全部観戦したとの事。フットボール観戦に関してはかなりのマニアの僕もお話を聞くだけで圧倒されてしまった。でもこの方曰く,「俺の10倍凄い(詳しい)人がいる」との事。試合はともかくとして,練習も観に行くという方が知人の方でいらっしゃるようだ。こんなところからもちょっと大袈裟かもしれないが関西にフットボールが文化として根付いているのを感じてしまう。そんなこんなで関京立に関する事のお話や簡単な予想なんぞをしながら,球場に入る。観戦は関学側の指定席で3人並んで観戦する事になった。周りには関学の一般学生やOBと思われる方がたくさんいる。レフトスタンド側の9列目とかなり前であるが,ほぼゴール裏で観戦する。
13時セレモニー開始。コイントスに勝った関学は後半チョイス。最近この後半チョイスをするチームが多い。でも実は僕も後半チョイス派。関学の風上からのキックオフで試合開始。法政リターナー#39伊藤選手がエンドゾーンからリターンしかかったが#2の選手に制止を受けタッチバックに。法政陣20ヤードからの攻撃開始。驚いたのは関学ディフェンス。関学主将#90石田選手がLBの位置に配したディフェンスのルックを敷き最初のシリーズをパントに追いやる。
そして関学が敵陣に入り攻撃権を得るのだが関学の攻撃は小気味よい。敵陣深くに入りQB#16尾崎選手が右ブーツレッグからそのまま走り切り25ヤードを独走しTD!TFPも決まり7−0,関学先制。第1QTR,目立つのは法政オフェンスに対する関学ディフェンスの素晴らしさばかり,関学ディフェンスは法政のプレーに対しほとんどアジャストしている。関東での試合のようにランだけで前進するのはこの関学ディフェンスを見る限り難しい。関学オフェンスはドライブの中で3rd down shortとなるシチュエーションを作りつづけ確実にフレッシュを奪っていく。何ともいやらしいオフェンスである。
そして試合は第2QTRに入り早々,RB#2三井選手が左オープンサイドを駆け上がりTD。また終盤にもQB尾崎選手のTDランで追加点を上げ第2QTRで21−0と差がつく。それにしても法政のオフェンスは全くもっていいところがない。第2QTRのほとんど時間が無くなった段階で法政QB#17桑野選手から投げられたパスはエンドゾーンの中でインターセプト。そして関学ニーダウンの後,前半終了。正直言って点差以上の差を感じてしまった。
前半全く駄目だった法政オフェンスが関学ディフェンスに対してどうアジャストをしてくるのか?岡崎さん曰く,後半法政のオフェンスでキーとなるプレーは重要度の高い順に下記のプレー。
1) リードフェイクのスロットもしくはフランカーの速いパターンのパス
2) 同じくリードフェイクの逆サイドのレシーバーのポスト
3) オープンへの速いプレー
後半は法政のキックオフから。法政カバーチームはオンサイドキックのフォーメーションを敷くがそのままキックし関学の攻撃で試合は再開。序盤法政ディフェンスが踏ん張り,続くオフェンスで敵陣深くまで入る。そこからの攻防は凄かった。結局法政のギャンブルを止め得点を許さなかったのだが,法政のパワープレーを悉く粉砕した関学ディフェンスは素晴らしかった。逆に法政オフェンスは是非とも取りたかったシリーズを無得点にされたのは大きかった。
試合は中だるみ状態となるが,最初の攻撃シリーズも含め法政のオフェンスがかなり前半と違う組立をしてきた。クィックピッチやカウンターオプションのキープと言ったかなり速いオープンのプレーと決まりこそしないがポストやコーナーのパスパターンも使い始めた。これによって関学のディフェンスが的を絞りにくくなった感が見えたのだが,これを前半から使っていればと言ったところだろう。ちょっと遅かった感も否めない。
第3QTRに関学がFGを追加し24−0とした第4QTR,僕の心を打つプレーが出た。法政の攻撃でQB桑野選手がオプションキープで右のオープンを駆け上がる。はっきり言ってこれはTDではないかと思った。このパターンは関東のリーグ戦だと完璧なTDパターンである。ところが後ろから物凄い勢いでパシュートしてきた選手がいた。#90石田選手である。当の本人にとっては当たり前のプレーなのかもしれないのだがこの鬼気迫るパシュートは凄かった。追いつく事はなかったが110kgを越すであろう巨体がほとんど桑野選手と同じスピードで走っている。そして関学DB陣が桑野選手を何とか止める。この桑野選手のランプレーは43ヤード(場内放送参照)のビッグゲインであったが石田選手の素晴らしいプレーに対する姿勢を感じた。そしてこの後に続く法政の攻撃はFG失敗に終わった。
第4QTR終盤,関学の自陣深くからのパントを法政のパントカバーチームがブロック。一瞬エンドゾーン内で法政カバーチームが押さえたように見えた為TDかと思ったが,これで関学陣ゴール前インチからの法政の攻撃となる。第1プレー,ノーマルTからのクリスクロスはノーゲイン。続くプレーはパス,関学DB#18の選手ナイスカット!3rd down shortからオプションキープ(岡崎さんビンゴ!),これも関学ディフェンス陣が止める。そしてギャンブルを選択した法政オフェンスは右サイドのクィックピッチでTD!(2ptコンバージョンは失敗)点を取られたとはいえ関学のディフェンス陣恐るべし。得点は24−6となる。
続く法政のオンサイドキックを押さえ,関学オフェンスはゴール前まで攻めたところで関学の4年生のオフェンスユニットと思しきユニットが出てきた。ギャンブル失敗しTDは取れなかったものの,法政の攻撃に残された時間はあとわずかとなり,そのまま試合は終了。ファイナルスコア24−6で関学勝利。優勝おめでとう御座います。
今回の甲子園も色々と何かを感じる甲子園であった。まず関学のフットボールの奥の深さを思いっきり見せつけられた試合だった。点差以上の力の差を僕は感じた。この試合に対する準備も然る事ながらそれを理解し実践する選手,全くもって恐れ入る。この試合で素晴らしかった関学の選手はSFに位置した#9矢野選手,そしてTE#89榊原選手(のオープンプレー時のブロック)と言ったところだ。法政は逆に今までやってきたフットボールにこだわり過ぎたような気がする。特にオフェンス,後半に選択したプレーを前半に選択出来なかったものか。WR#9山岸選手のような足の速い選手をもっと活かしていれば違った展開になっていた感もある。でもまあこれも結果論のような気がしないでもないが。
今回,最後のエール交換まで初めて立ち会った。そして関学の校歌を歌う観客の皆さんを僕は羨ましく思った。歳を取ったせいだろうか,いつも思う事だが国歌や校歌を堂々と歌える事は素晴らしいと感じてしまう。中学校や高校の頃の全校集会では本当に恥ずかしかったのにと思うが最近はサッカーの日本代表の試合なんかを見ても思いっきり国歌を歌えるような国民になりたいと僕は思う。そう言う事を改めて感じる瞬間だった。
それから岡崎さんのゲーム観戦中の解説は本当にフットボールを現役でやっているものにとってはかなり考えさせられるものであった。物の例え方等,色々な面で勉強になる。まるで名人が将棋を指すような関学の試合運びを上手い事表現してくれた。一度テレビでのフットボール解説をお願いしたいところです。本当にお疲れ様でした。今後とも宜しくお願いします。
一緒に観戦したフットボールファンの方,お疲れ様でした。色々有難う御座いました。僕も歳をとってもああいうファンになりたいと感じた次第です。
そして再認識したのがフットボールはやはりスタジアムで観戦するもの。全体が見渡せて,色々な面が見えてくる。やっぱり生で観戦するのが一番である。選手達も多くの観客の前で試合する方が絶対に良いプレーが出来る筈である。フットボールファンの皆様,スタジアムで観戦しましょう。最近関東学生1部リーグ,Xリーグの試合でも観客が少なく寂しい限りです。
最後に,ライスボウルの予想。12月18日の東京スーパーボウル(電工vs飲料)の勝者と関学は対戦する訳だがどちらが出てきてもこの関学を見る限り20点前後のかなりの接戦になると思う。そしてどちらが出てきても関西対決,戦術的な事はお互いかなりの準備をしてくるのが目に見えている。となるとキーポイントは関学ディフェンスのタックル次第のような気がするが,どうなるか興味が深いところである。
さて次回の観戦予定は,東京スーパーボウルと思われるでしょうが,クリスマスボウルを観戦予定です。高校生達の熱い戦いを観戦したいと思います。
それでは。
文責 村山 英和
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