村山英和の「フットボールを考える」


第4回 東京スーパーボウル(松下電工インパルスvs.アサヒ飲料チャレンジャーズ)(2000/12/18)


 まずは,お詫びから,先日の法政vs日体大戦の観戦レポートで法政が法制になっていました。それから,甲子園観戦レポートで,まず関学残り59秒からの1st downという表現は残り1分6秒からの,2nd down 9で,3rd down 8で関学が最後のタイムアウトを取った時点で残り59秒でした。また,法政の逆転TDではなく,勝ち越しTDの誤りでした。ごめんなさい。ほかにも文書の間違いや字の誤り,事実との違いがあるかもしれませんが,気付き次第,訂正させて頂きます。

 さて,先日の甲子園ボウルの余韻が冷めやらぬまま,今日は東京スーパーボウル,於:東京ドーム,松下電工インパルスvsアサヒ飲料チャレンジャーズ。私はこの試合については,松下電工QB#7高橋公一(関学出身)のクォーターバッキングvsアサヒ飲料チャレンジャーズのプレッシャーディフェンスという焦点で見ようと思っていた。

 19:00東京ドームに到着。さすがに昨日と違い,スーツ姿のサラリーマンが多い。そして,東京ドームのバックネット裏へ。ここはいつものゴールポスト裏。私の後ろにはXリーグの選手達がたくさんいる。一体何だろうと思っているとそれはXリーグ観戦講座なるものであった。スーツ姿のXリーガーが多くを占めていたが,特に目立っていたのは,富士通の西選手(立命館OB)と鹿島の藤井選手(法政OB)であった。そしてこの東京ドームの異変に気付いたのは何とバックネットが全部撤去されており,非常に見易いという印象を受けた。

 そして試合開始。まずは,アサヒ飲料オフェンスがRB#27中村多聞のランプレーを中心にテンポのいいオフェンスで敵陣に攻めていく。TDは取れないものの,K#11橋本が2本のFGを決めて,6−0とリードする。第2QTR,相変わらずテンポのいいアサヒ飲料オフェンスはついにRB#44中島のランでTDを奪う。そして,第2QTR終盤,電工#12太田のパントをアサヒ飲料リターナー#34吉田が68ydのリターンTDを奪う。そして吉田はそのままホールダーに向かい,K#11橋本のキックも成功し20−0とする。
 吉田といえば,京大出身で本来はRBである。しかし,今のアサヒ飲料RB陣(TB陣)は#27中村,#2花房,#30?瀬畑と層が厚く,現在はSBのポジションにいることが多い。これもある意味,アサヒ飲料藤田ヘッドコーチの藤田マジックのなせる業なのか・・・

 ちょうどそのころ,永田さん(ベアーズOB,現役時代QBで’93〜’98年まで在籍)が東京ドームに到着した。電工は最後の攻撃をK#12太田がFGを成功させ20−3で前半終了。

 前半の印象では,アサヒ飲料が攻守蹴にわたって圧倒していた。特に印象的だったのは,アサヒ飲料ディフェンスのタックルの刺さり具合である。とにかく,電工バックス陣がアオテンをかまされるシーンが多く見られた。そしてファンブルフォース,インターセプトと,またキッキングチームもパントブロック,パントリターンTDとこのままでは一方的になりかねないと思っていた。
 しかし,実は,前半終了の時点でのスタッツでは,電工の獲得ヤードの方が,アサヒ飲料の獲得ヤードを上回っていたのである。このことが実は不気味でならなかった。

 後半,第3QTR,第4QTRの途中まで,試合経過を全く憶えていない。永田さんと久々に会えた事からベアーズのHPの話,昔話,そして今戦っている両チームの選手の話で盛り上がってしまった。そしてベアーズで一番フットボールに熱中した頃に当時,関西学生DIV 1で活躍した選手が今でもXリーグで活躍しているのを見ると,永田さんも『やりたなんな〜』とおっしゃっていた。

 そして話が一段落ついたところで,フィールドに目を向けると,電工がだんだんペースを掴み始めていた。とにかくショート〜ミドルのテンポのいいパスが通り始めたのである。そして第4QTR中盤,WR#11松岡へのヒッチパス(クィックスクリーン)でTDを奪う。そして続くアサヒ飲料攻撃を抑え,電工の攻撃がまたドライブを始める。そしてゴール前へ・・・,そして3rd down 3〜4のシチュエーションだったと思うが,電工だったかアサヒ飲料だったかがタイムアウトを取っている間に永田さんに『次のプレーコール何だと思いますか?』と私が尋ねた。私は,タイミングパスか3歩のパスだと思っていたが,永田さんは『ブラストや』とおっしゃった。『何でですか?』と尋ねると,『あそこ,あいとんねん!あっ,晋三君が来てもうた・・・』といったやりとりのあとのプレーはなんとそのホールへのブラストだった。ちなみに晋三君とは,アサヒ飲料LB#31山田晋三選手です。キャリアーは#33粳田。TD.。20−16。ここで電工は2ポイントコンバージョンをQB#7高橋からTE#88門脇へ通し,20−18。これでFGを成功させれば逆転である。これが,電工QB#7高橋公一のいわゆる逆転マジシャンたる所以なのか?

 この後,電工キックカバーチームはオンサイドキックを試みる。しかし失敗。残り時間3分弱。このあたりから,電工守備に負傷者が続出し始め,レフェリータイムアウトが頻繁に発生する。そして残りのタイムアウト数との関係で物凄い緊張感のある攻防が繰り広げられる。不謹慎な言い方かもしれないが,負傷者によるレフェリータイムアウトをも,一連の流れとして組み入れてしまうところが,社会人のしたたかさだろう。そして,残りわずかとなったところで蹴られたアサヒ飲料K#11橋本のFGが逸れる。残り20数秒,まだ勝負の決着はついていない。このフィールドに関学出身のQB#7高橋,K#12太田がいる事に因縁を感じる。そして電工最後の攻撃でQB#7高橋はパスを試みようとするがバックサイドから物凄い勢いで割ってきた,アサヒ飲料DL#58古河選手の背後からの強烈なヒットで高橋のヘルメットが吹っ飛んだ!そして高橋はフィールドに倒れレフェリータイムアウト。永田さんがこの手のヒットを背中に受けると,足の先から頭の先まで電流が走るという事を言われた。こわ〜〜・・・。みなさん,このアサヒ飲料#58古河選手注目です。ライスでちょっとチェックしておいてください。そして電工はQB#17高橋幸史(近大)が出てきたが,パスを通したものの,インバウンズの為,時計は進みタイムアップ。ファイナルスコア:20−18,アサヒ飲料チャレンジャーズ勝利。
おめでとう。

 凄い試合だった。昨日の甲子園も凄かったが今日の東京スーパーも凄かった。MVPはRB#27中村多聞。

 そして永田さんと近くの中華料理屋で軽く食事をとる。しかしこの時はほんと時を忘れるくらい,素晴らしい話を聞かせて頂いた。永田さん自身は自らの事を『人柄QB』や『QB人事の合間を縫って生き延びたQB』等謙遜されていたが,ベアーズの‘90年代を代表するQBであったことは間違いない。色々有り過ぎていいつくせないので,私が印象に残った話だけするが,まず,ベアーズというのはこれだけ色々な業種(銀行員もいれば商社マン,メーカーや公務員、色々な営業マン,それに大学院生云々)の人がひとつの目標に向って進むという事はなかなか経験する事は出来ない。だから損得勘定抜きでなにか定期的に集まれる場があったらみんなが有意義になれるんじゃないかという話。それを例えば掲示板を使って『試合会場のここらへんにいます』という情報を書き込めば結構来るんじゃないかという話をおっしゃられた。

 それから,20−16に追い上げるプレーを何故ブラストだと答えたのかと言う質問に対し,『一番練習したプレーをああいう場面ではコールするもの。自信のあるプレーはラインやバックスの目を見ればわかる』とおっしゃった。それから,゜94年のユニコーン戦の前のオフェンスのハドルで現在シーホークスにおられる関大出身のOL多田さんが『うちのバックスはQBも含めてスピードがあるから,自信持っていこう!』と言われた時,この人俺の事信用してくれてると思ったらしい。それで吹っ切れたという事を言われた。そして私が昨日の甲子園ボウルの関連記事で’83年の京大vs日大の試合の事が特集されていたという話をした中で,その時の日大のメンバーで土屋健二さんというDTの方がベアーズにいらっしゃったという話でまた盛り上がってしまった。土屋さんはそれはそれは強かったらしいが,ショルダーはCP36だったらしい。それから『いやあ,僕の時だけ甲子園負けちゃったんだよね!』と軽く言われたという話を聞いたりととにかく面白かった。ちなみに正川さんのお兄さんも日大フェニックスのTEだったんですよね!正川さん!

 最後に『なんやかんや言うても,一番偉いのは現在進行形の人,つまり現役の人が偉いねん』ともおっしゃった。こんな話をして盛り上がり,とにかく年明けて飲もうという事になった。そして,新宿駅で永田さんは山の手線,私は中央線という風に分かれた。これで大体の大きなゲームが終わったが残すはライスである。さあ,どうなるやら・・・

 みなさ〜ん,東京ベアーズは新年早々飲み会を実施しま〜す。色んな人集まってください。そして色んな事を語り合いましょう。それでは・・・

文責 村山 英和

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