村山英和の「フットボールを考える」


3rd down long(2001/1/1)


 みなさん,こんにちは,村山です。とうとう,21世紀を迎えましたね。実は私自身の人生においてこれほどフットボールを生で観戦したシーズンはありませんでした。昨年頃から,私自身フットボールに情熱を失いかけていましたが,今年何試合か観にいっているうち段々,昔のような情熱を思い出し,そして,都地君の結婚式〜2次会〜3次会でみなさんにお会いしたのを境に今自分が出来る事を考えるようになりました。

 フットボールというスポーツも今,冬の時代であると一般的にいわれます。様々な事情によるチームのリーグ戦への不参加,部員の減少,観客数の減少,同一リーグ内の試合での点差の拡大等,悪いことばかりのように思われます。しかし,九州リーグの試合を,各チームのHPを見ているとみなさん各チームとも真摯に取り組まれているという事が感じ取れます。何故ならば,今年の九州リーグは全敗チームがありません。優勝したシーホークスも1敗しています。ということは取り組み様によっては,どこのチームにも優勝するチャンスがあったわけで逆にいえばどこのチームにも最下位の可能性があるという事もいえます。

 だから,来年はどこのチームも今年と同じ事をやっていては,今年成績が良くても,来年同じ成績を得られる保証はどこにもありません。(なんとなく,九大の掲示板に書き込まれている,minamisonoコーチのメッセージに似ているようですが,私もそう思いますので・・・)だからこそ,毎年,熱い試合を,そしてレベルUPを図っていっているのではないでしょうか。ひとつのチームがずっと勝ちつづけるとリーグのレベルUPには繋がらないと思うので,そういった意味でも,今年勝てなかったチームには頑張って欲しいものです。

 それから,このように遠方にいる私たちでも,同じように時間を共有する事を可能にした各チームのHPの管理者ならびそのサポーターのみなさん,有難うございます。私が偉そうな事を書けるのはみなさんがそういった場を提供してくださったおかげです。本当に感謝しています。


 さて,テーマの件ですが,みなさん3rd down longのシチュエーションで何を考えてプレーしてますか?このテーマを取り上げた理由は,今年の甲子園ボウルの第4QTRの法政の同点に追いついたプレーに結びつくドライブで3rd down 12というシチュエーションで法政がタイムアウトを取った場面がありました。

 この時の解説は京大の水野監督とゲストに日体大RB#34の伊是名隼人選手だったのですが,まず,水野監督は,第4QTR序盤,まだ法政が負けている場面で,残り時間が十分残っている場面でのタイムアウトを取った事に対して,『ベンチがサインを出している場合は,こういったタイムアウトをとることは考えにくい』ということをおっしゃってます。そしてタイムアウトが解けた後,実況の方が伊是名選手に『次のプレーは何だと思いますか』と質問すると伊是名選手は『ダイブ系じゃないですか?』と答えました。ここがポイントです。

 みなさんはこの答えに対しどう思いますか?私は最初VTRを見たとき,それは違うだろうと思いました。しかし,よくよく思い出してみると放送では,ほとんどカットされていたのですが,法政には2,3度,3rd down 15程度のシチュエーションがありました。それをUB#36白木のダイブで12〜13ydゲインし,1st downまであとわずかというシーンが何度かあったことを思い出しました。法政は3rd down longでも自分達のフットボールを続けていたのです。

 ここからは,私はランニングバックという立場でありますが,勝手に述べさせてください。この時のプレーはリードドローです。実際,私はドローにしては速すぎると思っていましたが,両Tはパスプロしています。この時,ディフェンスのみなさんは,3rd down longというシチュエーションで一般的に何を考えますか?

 極端な話,12yd以内で抑えれば,いい訳です。4th down ギャンブルを行うのであれば,それはそれで4th downに集中できます。12yd以上を一般的に獲得するプレーのイメージをするのではないのですか?ということはパス,もしくはオープンそれから,何らかのスペシャルプレー等だと思います。スクリメージから12yd先のラインを背にしてそこまで行かせなければいいというイメージではありませんか?ということはDLの人はラッシュにしてもチャージにしても重心が高くなりがちになりませんか?そしてLBの方はやっぱり頭の中にはパスを1st プライオリティ,ドローを2ndに考えて,DBはパスに集中していませんか?すみません。私ならそう考えます。

 ボールがスナップされました。私が注目している関学DL石田力哉選手は右のA Gapに向ってチャージと言うかスイムを使ってラッシュしています。そして,両DE(down lineは3名)はプレーサイドのTとバックサイドのG,Tがメージラインを割らなかったが故に,高い体勢でラッシュを掛けています。そこへ,リードドローとはいえ,一般的なチームのブラスト以上に速い法政のリードドローが来た訳です。

 そして#36白木選手は関学LB#47坂本圭以選手に対し,並び#73のRG安藤選手はDB#28坂本勉選手に対し素晴らしいブロックをしています。そしてフレッシュを取りました。関学守備陣の脳裏にはパスもしくはオープンへのオプションというイメージがあったのではないでしょうか?法政は今までやってきたプレーを遂行してきた訳です。このプレーでフレッシュを取られた事による関学の心理的プレッシャーは相当なものだったと思います。だから敢えてこのプレーをターニングポイントのプレーにしたいと思います。

 関学は3rd down longというシチュエーションで,パスを試みていましたが成功率は低かったように感じました。つまりは天候云々ではなく,自分達のフットボール,学生主体の限界等と言われようとも,自分達のフットボールを信じ切った法政が素晴らしかったのではないでしょうか?

 私が言いたいのは3rd down longというシチュエーションは今まで,オフェンスが取り組んで来た事,ディフェンスが取り組んで来た事,つまりはそのチームが1年間かけて取り組んで来た成果が出るシチュエーションです。今のフットボールは強いチームと言われるチーム程,外からコーチがコールを入れるのが一般的になっています。それはフィールドポジション,シチュエーション等を客観的に判断し,プランを進めるという点では問題ありません。でもやるのはフィールドにいる選手達です。QBはみんなの目を見て,このプレーが通るか否か判断できるそうです。そして,そのときに信用できるのは,1年間かけて練り上げた一番練習したプレーではないでしょうか?今回の甲子園については特に色々な事を学ばせて頂きました。そのプレーのタイムアウトの時は,法政のベンチはもしかしたら,『おまえらの好きなようにやれ!』と言ったのかもしれないと勝手に推測してしまいます。

 来シーズンは21世紀最初のシーズンです。お互い同じ力のチーム通しの関係であれば,3rd down longのシチュエーションに注目してみましょう。きっとそのチームのやってきたことが見えてきます。そして,この事は,オフェンスの人はディフェンスをディフェンスの人はオフェンスを,両面の人はそのまま(失礼!!)練習なり試合なりで経験してみてください。今まで見れなかった何かが見えてきます。

 それでは・・・

文責 村山 英和

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