古来、聖書の勉強は聖書自身で行うことが王道であるとされてきました。そのために、コンコルダンスや引照付聖書が欠かせ
ない道具でした。わたしは長いあいだ引照が豊富に出ている国内外の聖書を集めていましたが、1991年になって内外盲人ミッ
ション代表の門屋昭平氏から、TSK(The Treasury of Scripture Knowledge)という本
があることを紹介されました。早速東京御茶ノ水のCLC(03-3294-0775)で購入したところ、それは私が1986年に「聖書知
識の宝庫」(1)マタイ伝研究という日本訳の本(1957年基督教文書伝道会発行)を買って持っていたその原本であること分かりました。
このTSKには聖書の本文はなく引照箇所だけが表示してあります。その内容は旧新約聖書の各節ごとに平均約15か所ぐらい、
多いところは50か所以上も引照があって、その総計は50万か所以上もあります。普通の引照付聖書の引照とは比べものになら
ないほどの量で、しかもそれまで持っていた引照付聖書の引照箇所はほとんどがこのTSKに含まれていることが分かりました。
このTSKに出ている引照を丹念に全部あたれば聖書解読のために確実な方向性が示されることが分かります。そしてその力は
普通の注解書と比べてみて、月の光と太陽の光の差ほどもあることを感じます。イエスの言葉はイエスが別の場所で別の角度から
解説しています。パウロの言葉もパウロ自身が別の言い回しで説明しています。またイエスの言葉はパウロが解説してくれてい
ます。逆にパウロの言葉もイエスが解説しています。聖書を深く理解するためにはまず引照を丹念にあたるこの地味な基礎作業が
大切です。
この本には著者名が書かれていないのが不思議でした。それで著者を知りたく思い、日本女子大の新井明教授が1992年に
英国に留学されたときにかの地で調べていただきました。それによりますと、これは1834年に英国人サミュエル・バグス
ター(1772-1851)によって編集発行されたもので、1600〜1800年代の複数の聖書注解書をもとに作成されたものである
ことが分かりました。この本はその内容が実に価値あるものなので、今日に至るまで命脈を保ち、現在もいろいろな出版社から
出されています。(ベイカー、ヘンドリクソン、ワールド、バーバー&カンパニーなど)そして最近は、本のタイトルに「The
New」と付いた新版がトーマス・ネルソン社から出版(1992年)されたのでそれも昨年購入しました。これは旧版にさら
に新しい引照を加えたものです。それは数%の増加となっていますが、主要引照のほとんどは旧版にあります。旧版は3千円程度、
新版は5千円程度で入手できます。 この本はこのように便利なものですが、各節の引照に全部あたることは非常に時間がかかり、30も40も引照がある場合には途中で根気がつづかなくなります。それでせっかくの良い引照も宝が埋もれたままになってしまう嫌いがありました。
しかし、1995年に米国製の「ロゴス聖書学習ソフトウェア」(ウインドウズで動くもの)の日本版の説明発表会が開かれ
た時、そのソフトウェアのなかにこのTSKの旧版がそっくり入っていることを知り驚喜しました。聖書の目的の箇所のTSKの
引照が一瞬のうちに全部表示され、その箇所をマウスでクリックすれば次々とその引照聖句の全文が表示されます。したがって聖
書をいちいち開くことなく画面で読むことができ、さらにそれを全部印刷もできます。これを知った私はもっと生きたい、あと
50年は生きたいと思いました。(ちなみに筆者は現在53才)そして同時に50万か所以上の引照をインプットした製作者の
労働に脱帽し、またキリスト教国の伝統と底力というものを深く感じました。そして早速ウインドウズが動くパソコンとプリンタ
を購入し(富士通のFMV−H、プリンタはキャノンBJC−400J)、ソフトを日本の発売元である(有)ジュビリーテック・インターナショナル・ジャパンから購入しました。ソフトの定価は基本パッケージで46000円、アドバンスドパッケージで62000円で、その他に各種翻訳がオプションとして選択購入できます。わたしはアドバンスドパッケージに英語の訳を一種7000円を加えて購入しました。ソフトの使用方法は日本の発売元の加島千秋牧師が懇切丁寧に教えてくれましたのですぐ利用することができました。
朝、目が覚めると聖書の句が浮かびます。するとすぐパソコンの前にすわり該当のTSKを打ち出し、それをプリントして建築
設計事務所に勤務する通勤電車のなかで勉強します。そして集会で聖書の研究発表をするときの道具としても有効に働いています。
わたしはいまこれを土台にして、ネストレ版のギリシャ語聖書や昔から定評のあるスコフィールド聖書、さらにわたし自身の
引照を加えて取捨編集し、引照聖句の全文を表示した「引照聖書」を作成しようと考えています。
「ロゴス聖書学習ソフトウェア」の最大の価値はこのTSKにありますが、その他の機能として検索、複合検索、主題の索引、
使用者ノートなどがあり、これらが特に便利で実にうまくできています。この製作者は聖書勉強の方法を深く知っている人の
ように思われます。
聖書の訳は、英語7種、ギリシャ語4種、日本語2種、ヘブル語、中国語、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、が用意されて
います。画面にはこれら複数の聖書訳が同時に表示できますので比較しながら読むことができ、理解の助けになります。
今年の夏に、わたしは個人の学習として、名訳の誉れ高い塚本虎二訳聖書をこの「ロゴス聖書学習ソフトウェア」上で
稼働せる実験をしました。塚本虎二訳のデータベースは、はじめバイブルリサーチセンター(0427-43-5674代表中沢啓介牧師)
が研究用に打ち込みました。それを筆者が2年かけて校正し、(校正は多大の時間がかかる。)さらに敷衍と本文が分かれてい
ない部分(ガラテヤ、ヘブルなど)はそれを分けたうえでフロッピーに再入力しました。「ロゴス聖書学習ソフトウェア」への
組込み作業は使用者ノートというところに一節ずつ貼りつける作業でしたので面倒でしたがうまく稼働するようになりました。
これによって塚本虎二訳が新共同訳、口語訳、ギリシャ語またその他訳と同時に画面表示できるようになりました。
塚本虎二訳だけの語句検索も可能です。
このソフトを日本に紹介し、親切に指導してくださる加島千秋牧師に深く感謝する次第であります。
購入は下記に問い合わせてください。
ここを押すとロゴス聖書学習ソフトウエアのノートの塚本訳が表示されます。ファイルサイズ30K
日本語ロゴス聖書学習ソフトウエアについてのご質問はE-Mail tojubilee@nisiq.net
インサイト 代表 加島千秋
郵便番号278−0046 千葉県野田市谷津626−1−709
TEL 0471−27−8300 FAX 0471−27−8311