同曲異演メニューに戻る


第2回目 ロジェストヴェンスキーのプロコフィエフ:交響曲第5番

☆この交響曲には小生はずいぶんハマった。かなり沢山の演奏の聴いた。その中でようやく納得してしまったのがロジェストヴェンスキーとモスクワRSOとの全集のものだった。これでやっと小生は入門レコードであったマルティノン盤以外の愛聴盤に逢えたと思った。この独特の荒々しさと熱気は他の演奏では聴けないものである。今ではデュトワやアシュケナージなどの洗練された演奏も気に入っているが、ロジェヴェン盤は小生の一番の愛聴盤である。


63/05/18 モスクワRSO(I:11'52,II:8'16,III:11'23,IV:8'29)
輸入盤 Revelation RV-10041

65 モスクワRSO(I:11'48,II:8'43,III:11'59,IV:8'50)
輸入盤 CONSONANCE 81-5008(メロディア原盤)

71/09/10 レニングラードPO(I:12'14,II:8'45,III:11'53,IV:9'34)
CROWN CRBR-6056



以上3つの演奏が現在入手可能であるが、
1はライブらしく生々しい。オケのバランスを崩しているところもあるが、早くもロジェヴェンらしい熱気を持ってる。第4楽章に重点をおいているような演奏で、やはり疾風怒濤の力感が味わえる。

2の全集録音はぐっと音質が聴きやすい。左右に音の広がりもいいし、バランスもいい。1に比べるとさすがにロジェヴェンは手中で収めたという感じで、安心して聴ける。しかし他のこの曲の演奏と比較するとやはり独特の演奏である。当時のロシア色の野生味ある力のある演奏で、とにかくこの曲をある程度知っていて、細部にこだわっていたら聴けない。全体像を見てからでないとこの演奏の持つ価値はわからないのではないかと思うほどである。しかし小生にとっては忘れられない演奏である。

3はイギリスでのライブで、同時期の「幻想」やチャイ4なども同シリーズであるが、この演奏が出来が一番良いと思う。録音はやや遠い印象も受け、第2楽章の細部などモコモコしているところもある。しかし1のライブから8年、さすがに堂に入ったといった印象を受けた。演奏はとても熱気をはらんでいるが、落ち着いてもいる。そしてオケが旨い。演出家ロジェヴェンのすばらしさは第4楽章を聴いてみただけでも明らかで、この楽章は本当に素晴らしい。じっと聴いているといつの間にかオケも聴き手もその熱気と帯びたテンポに乗せらせてしまい、演奏後の怒濤の歓声を聴くことになる。




メニューに戻る