2013年 3月20日から24日 詩と写真展『記憶の 窓は水色の枠』を前橋市で開きました。
北爪満喜 詩と写真展 「記憶の 窓は水色の枠」 言葉と写真。それらは私の中から、別々の扉を開けて現れたもの。どちらかが、どちらかの 背景ではなく、詩の言葉も写真も、別々にそれぞれ独立している。書くときには書くことに集中し ている。撮るときは、自分がカラになって撮っている。そして言葉を拾う。写真を拾う。特別な 場所や特別な時間から解放されて、写真は、ただその映像だけで、不安に、新鮮に、一瞬として 立ち上がる。そして、事件のように詩の言葉と出会うのだ。 言葉と写真は、どんなふうに響き合うだろう。響き合うことを願って、私は二つを出会わせる。 ●フォトフレーム展示(展示の一部です) スライドショー「3月木の春は生きて」 2011年3月 写真は脱出、そんな見方はどうだろう。社会的に人々が物を見る目は習慣的なものになっている。 写真は私にとって習慣的になっている物の見方の息苦しさや、既成概念の抑圧や、日常から抜け出すためのもの。 そう考えれば、自分が写真をこんなにも撮るわけが少しだけ納得できる。言葉を書くことは、自分の内面とは離 れられないことだ。それに比べ、撮ることは、物理的に自分の外、皮膚の外の何かと向き合うこと。だから私は 外へ出ていってしまえる。見るまなざしと一緒に外へ出てゆく。集中すると、自分の役割や世間がオフになり別 のリアリティに突き抜けてゆく。そして液晶モニターの光の映像で、ステロタイプに捕まらない習慣化した見え 方ではない映像にであってゆく。初めての見え方にであいにゆく。 この3月は、憑かれたように、構図なし、自分もなしで、何も考えずにシャッターボタンを押しに押した。 朝の透明な光に透け始めた椿の花や窓の光や、私の周りを動きまわる飼い猫などをいっきに数百枚、朝、掃除機を かける前に撮っていた。撮りながら、木や葉や花や猫や地面がそれ自体で発光しているような時間に包まれ、瞬間 と永遠を一枚の葉の上に一輪の花の中に同時に感じ、震えるような愛しさと、この瞬間への感謝と、いまにも失わ れそうな幸福感と恐ろしさとに張り詰めていた。撮ることのなかへ消え去るように集中しては、はっと我にかえる。 そんなことを繰り返していた。しかし、この3月はその皮膚の外が実に実に酷かった。今も酷い日々が継続してい る。この日々のいいようのない覆いつくすような闇。原発事故への憤り。恐怖。悔しさ、痛み、混乱、不安。損失。 すくんでしまい、メールも返せず、何も発信できず落ち込んでいた私を引っ張りあげてくれたのも撮ることだった。 日時 2013年3月20日-3月24日 am10:00-pm19:00 (20日pm18:00) 場所 ミニギャラリー千代田 群馬県前橋市千代田町二丁目8−12 ( 中央通りアーケード内) ・イベント プロジェクターでスライド上映と朗読・北爪満喜 3月20日15:30pm-17:30pm ゲスト ヤリタミサコ(詩人) 橘上(詩人) [ 移動 ] 本町一丁目カフェ プランツの人と共にオープンマイク どうぞご参加ください。(ワンドリンク注文お願いします) 18:30pm開場-21:00pm ....... 前橋駅へは・湘南新宿ライン、又は高崎線、又は上越新幹線で高崎乗り換え。両毛線15分。 本町バス亭から徒歩5分。 ・在廊しております。是非おでかけください。 ■企画・前橋プランツ
2013.3.20 オープニング朗読会風景 2013年3月20日のオープニングイベントの様子が上毛新聞に載りました。 展示作品の前に移動しながら詩を朗読しているところです。 会場 展示風景