2003/1/23
「オール・アバウト・マイ・マザー」の紹介
女になりたかった男、女しか愛せない大女優、子どもを身ごもりHIVになった修道女、
そして息子を失ったシングルマザー。それぞれはみだしてしまった部分を抱える人達。
その人達が輪をつくっている。世の中の表で力を振るい闊歩する者らの闘いから外れ
ている。だからこの輪の世界は、死をはらみながら血の通う暖かさ、ぎりぎりの絆に
より救われている。この映画のうしろからくる感動はスペイン映画のある種のものに
しかない独特の味わい。ひどく絶妙。アカデミー賞外国語映画賞を初め32の映画賞が
与えられたワケも解る。あの乳房を作った男は、元トラックの運転手だったって?す
ごく繊細なこころの女の人に思える。とか、息子が事故死で脳波測定後、すぐに臓器
提供の判断をするはめになった母、でもこのお母さんの仕事は臓器移植コーディネー
ターだったのにね、と、ひとり言をいうように心の事件を納得させられてゆく。みて
いるといつのまにか母についての小説を書こうとした息子の身代わりになり母につい
ての全てを見守ることになっている。死の生きている物語が、どんなになっても人に
は生きる道が開かれる!と光をさしのべる。