今月へ

2010/1

[歌っている/もーあしびは収穫期]

1月29日
 透き通る声で歌っている。姿が花の色や形、すべてが歌。
 夫の仕事の撮影の手伝いでお台場へ行って出会った花です。

「もーあしび」20号を読んでから、呉生さんの生々しいはずの手術台に
のってからの意識が、幾重にもまなざしの意識で織られていること、緊張と
不安のあいだをユーモアの光が織っていることに、人ってそうなのだ、と
いう目が覚めるようなしなやかさとことばの切実を受け取った。

「もーあしび」はいま収穫が多く、五十嵐倫子さんが詩集『トリドリの夜』
森ミキエさんが詩集『沿線植物』、渡辺十絲子さんが川口晴美さんと
言葉と詩の教本『ことばを深呼吸』(川口さんは詩集『半島の地図』)を刊行している。

そんななか、川上亜紀さんは『グリーン・カルテ』と
いう小説を刊行。そこでも長期の入院の病室のこまごまとした
まなざしや、同室の患者の関心と自分の関心の距離や、治療のめんどうな
作業を毎日しなくてはならない中に、紛れ込むおかしみが、意識=言葉
の触手によってくすぐられ、したたかな入院風景がうまれている。
 ともに病からひらけているものを読みながら、言葉の行くところ行きたいところ
を進ませる力に手を引かれながら、さまざまな厚みのある時間を共にすごした。
「もーあしび」のブリングル御田さんは第一詩集『次ぎ曲がります』を出されて
いる。こちらは言葉の勢いに引かれて読もう。

私も今年は新詩集を出します!


[モーアシビ20号/トルタとリンク/詩と写真展file.6]

1月22日

白鳥信也さん主宰の総合誌「モーアシビ」20号が出来上がりました。
20号記念で、特集「最近気になること、好きなもの」のコーナーが
あります。ご購入希望の方はご連絡ください。頒価500円です。
よろしければ年間購読もどうぞ。
私は特集と詩「月の瞳」+写真で参加してます。

いまトルタは活気ある若手の詩のグループとして注目してます。
河野聡子さんが主に運営するトルタブログとリンクしました。
ことばのアート、バーバル・アートという視点でひろくトルタブログは
開かれて興味深いです。

通路の「詩と写真展」file.6 の様子です。
和紙をアクリルに入れたので、通路が広く感じられて別の空間になりました。
ぜひ、お立ち寄りください。
(通路の隣は水出しコーヒー店どんぱ、向かいは
チョコレートショップです)

搬入はやはり痛い肩にきました。少し肩が良くなったから、気になって
いた掛け替えを行ったのです。新作はまだ肩が辛くて、映像を選ぶこと
ができないので、昨年のパリ展のを展示しました。




[ポエニークの詩誌評]

1月14日
ポエニークの4wheelsで詩誌評がアップされました。

今年初のアップです。これを書いていた新年のろこはあまり体調がよくなくて
批評が短めになっております。


[わたしもいます]

1月10日
 いつもシロばりだったのでクロの姿も登場させます。
ちょっとメタボぎみですけど、元気です。
 このところつづけて近所の人などに、猫ちゃんが子供ですね、
と言われて、そうなんです、と答えたのですが、あなたには子供が
いないけれどカワイイ猫がいるから寂しくないですねという
思いやりなのはわかるけれど、やっぱり、そうなんですと
いいながら、違和感が。カワイイけどね。やっぱりベットです。
子供というほどでは。いえ人間じゃなくて動物だからこそ
いっしょにいていいところがたくさんあるのです。比べられないです。



[飼い猫は見た]

1月8日
 いったい何を見られてしまったのだろう。
 掃除をしているところだろうか。ミカンをたべてるところだろうか。
洗い物をしている背中かもしれない。朝だったらショウガをすりおろして
いるところかもしれない。ショウガ汁に蜂蜜をいれてお湯でわって飲むと
体温が高めに維持されるらしいから、なるべく作るようにしたい。

もうすぐポエニークの詩誌評がアップされると思います。
アップされたらまたリンクを張ります。

遅ればせながら、『ポエトロゴス2』を読んでいます。
トルタの人達と瀬尾育生さんが書いている。
首都大学東京現代詩センター発行となっているので瀬尾さんが教えている学生達と
発行されたのだ。渋野義一さんの「〈セカイ系〉論」は読みたかったセカイ系とは、
ということについて書かれていて示唆が多いです。
 


[朝の月/鏑木清方展/DOMANI・明日展]

1月6日
 きょうは品川へ肩の治療に行きました。家の近くの治療院は頻繁に通って
いるのですが、痛みをとってくれて、即元気になれるのは品川の治療院なのです。

 で、どうも空をみてしまうのです。
この月は朝7時50分頃にでていた月です。
 帰りに恵比寿から六本木に出て友達にもらったチケットで鏑木清方展を見ました。
サントリー美術館が10時に開くとすぐに入館。97パーセント女性が観覧してます。
「朝涼」が特に心に残りました。朝の月が淡い色調の草色のような青のような空に浮かび
草々が伸びやかに繁る中に睡蓮の花。すずしそうな着物の少女が、ゆったりと歩いていて
ノスタルジックでさわやなか甘さに、朝の月が夢幻を添えているような、そんな絵でした。
もうひとつは盲目になった滝沢馬琴が盲目の息子の嫁に文を教えている絵が凄かったです。
暗めの畳の部屋に吸い込まれるような迫力で、皺寄った馬琴の眉間や目、皺寄った手指、
きりっとしたまなざしの若い嫁の顔がシーンを深めていました。
 そして、やはり治療が効いたのでしょう。歩いて国立新美術館へ行ってみることにしました。
「DOMANI・明日展」をみました。コミュニケーションや他者のなかの自分の位置をつねに意識
している呉亜沙さんの絵に惹かれました。他者を兎で現しているのが不思議です。壁に俯瞰した
街の絵が並んでいて、それぞれに黒い兎がちらほらいるのは童話風でもあるけれど、「私」が
雲にのった少女の姿で天井から中空に吊られていて、一枚の絵に一人づつ「私」人形があって
それぞれの絵を凝視しているのです。他者の雑踏に埋没できる都市の開放感があるとしたら、
こうした俯瞰を生きることはどんな感じがするのだろう。けっして後ろ向きではないけれど
ある種の苦しさを抱えている感じが伝わってくるようです。



[夕暮れの公園]

1月2日
 きょうはお雑煮を食べてから夫と義母と私の3人で近くの駒留神社に
初詣。義母は去年の御札を収めて、今年の干支の人形を買う。私たちは
その介助という役どころでしょうか。今年は道路に例年になく車が走っていて
いつもはがらがらな都内なのに何か変です。
 私は運動不足の解消のため公園まで歩いてゆくともう夕暮れ。暖かい茜色。
 撮ろうとすると攣れて肩は痛むけれど、そんなことは言ってられない光です。

 昨年の暮れに、川上未映子のエッセイ本をぱらぱら本屋さんで見ていたら、多和田葉子
のエッセイ『溶ける街 透ける路』について絶賛していて、本の存在を知り、
急いで本屋さんに注文。そのときは来年になります、と言われたけれど昨年内に届いたのでした。
日経新聞で連載されていた頃からときどき読んでいたけれど、ほんとうに味わいふかいです。



[昼の月]

1月1日
 あけましておめでとうございます。皆様のご多幸をお祈りいたます。
 今年は肩がすっかり治りますように。
 肩といえば、昨年の暮れに肩の治療で品川へ行った帰り、恵比寿の映画館へ
寄ったのですが、そこでばったりヤリタミサコさんと出会ったのでした。
 こんな偶然があるなんて。多くの映画館があるのに、ヤリタさんが見終わって
出てきたところで、これから見ようとチケットを買いに私が入っていったのです。
嬉しかったです。次ぎの上映までの30分ほど、いろいろ近況などおしゃべり
しました。見たのは「千年の祈り」。中国人の父と娘の話で、ニューヨークに
暮らす娘のところへ中国からやってきた父が、ぎくしゃくしながらも娘との関係
をとりもどしてゆこうとする会話劇でした。

 詩の雑誌「びーぐる」の次号に原稿を書いたのですが、この号には尊敬する多和田葉子
さんや、漫画家の高野文子さんが執筆されていると知り、感激。出来上がりがとても楽し
みです。