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お魚さん(ヤマメ)を考える
秋には魚達が産卵を行います。場所はゆるやかな淵尻で、きれいな砂利や砂がある場所。 雌は産卵する場所を体全部を使って掘り起こします。もちろん雄も近くにいます。 そろそろ産卵が近づいてくると、小さな雄が近くに集まってきます。この小さな雄は,すきあらば授精に参加しようと集まってきているのです。小さな雄はペアを組むことができません。しかし子孫は残したいという本能はあります。本来のペアの雄は当然追い払いますが、小さな雄も必死です。 産卵はあっという間に終わります。大きく口を開けたペアが横に並び、雌が産卵し、そして雄が放精するほんの数秒間の出来事です。冷たいもので、雄はあっという間にいなくなります・・・ ヤマメの卵は5ミリくらいのオレンジ色をしています。散らする卵の数は雌の魚体が大きいほど多くなる傾向があるようです。養殖と天然とでも卵の数には差があります。天然魚は養殖の10%程度の数です。具体的には天然魚の産卵数は100〜200個です。海の魚は数十万個〜数百万個の卵を生みます。 ヤマメの産卵数は少ないですが、稚魚のうちには砂利の間に隠れていますし、生き残る確率が高いので産卵数が少なくても生存率は高いのではないかと考えられます。また、海に比べると外敵も少ないように思います。 孵化までの期間は水温に依存するようです。暖かければ早く、冷たければ時間がかかるようです。 孵化した稚魚は卵の殻(黄卵)をおなかにつけてしばらくの間石や砂利の間に身を隠します。その間餌は食べません。 稚魚のうちはユスリカやカゲロウの幼虫の小さいものを食べるようです。大きくなるにしたがい餌も多きなものになります。 ある程度大きくなるとそれまで集団で生活していた稚魚も単独生活に移行します。そのころにはパーマークもはっきりして大きさ以外では成魚と変わりありません。 夏も近づくと水棲昆虫の羽化が始まり羽化した成虫が飛び回ります。陸棲昆虫の摂取も増えてくると考えられます。 このころには、生意気にもドライフライにアタックしてくる奴もあらわれます。小さなフライだと釣れてしまいます(^^ゞ 大きくなると川虫(水棲昆虫)やカゲロウ・カワゲラ・トビゲラの成虫やハチ、ミミズ等の陸棲昆虫を食べて大きくなります。よく言われる「岩魚はヘビも食べる」というのはあながちうそでもなく、体の大きさに見合った餌を食べるということです。 フライの種類(分類)はカゲロウ・カワゲラ・トビゲラの状態をあらわしています。
ヤマメの大きさは環境でずいぶんと変わるようです。基本的に寿命は3年ほどですから、餌の量に比例するのではないかと考えられます。餌の豊富な大きな川では成長が早く、餌が少なく冷たい川では成長が遅いのでしょう。 つまり大きなヤマメを釣りたいときには餌の豊富な大きな川に行けばいいのです。 海に下るものがサクラマスで、めずらしいと思っていませんか? 本来の姿はサクラマスの状態が普通なのです。つまりサクラマスの陸封型がヤマメなのです。(アメマスの陸封型が岩魚ね) 氷河期以前には純粋な淡水魚だったものが、氷河期で川や湖が閉ざされ、しょうがなくて海に下ったと考えられているようです。もともと冷たい水温に生息していたので氷河期には南の海域にまで生息範囲を広げました。氷河期が終わると海水温も上昇しました。南に取り残されたヤマメの先祖は水温の低い渓流に細々と住み着くことで現在に至ります。(見てきたような事書くなぁ(^^ゞ) サクラマスの稚魚は約1年半川ですごします。そして、海に下るものと川に残るものに別れるのです。 私の住む地域ではほとんど雌が海に下ります。当然川にいるヤマメの比率は雄が多くなります。 産卵のためには雄と雌がペアを組まないといけません。つまり、川に堰堤や堰を作られると雌が遡上できなくなり、産卵できなくなるわけです。どうしても堰堤や堰を作るときには本体よりも立派な魚道を作るように心掛けましょう。 そのころ、海に下るものにはパーマークが消えて、小さな銀色のうろこがあらわれます。これが銀毛ヤマメです。英語で言うと”スモルト”です。 銀毛ヤマメは群れを作り、海に入る準備をするために河口で時期を待ちます。釣ったことがありますが入れ食い状態です。本当は釣っちゃいけないらしいです(^^ゞもちろん小さいのですぐに放しました。 銀毛ヤマメたちは海で1年から2年をすごし、産卵のために川に戻ってきます。 海に下ったヤマメ達は川に住むヤマメとは比較にならないぐらいの広い環境と、豊富な餌を取り体長70cm体重4キロにまで大きくなります。体長で倍以上、体重に至っては10倍の大きさになります。 富山の近くに戻ったサクラマスは「マス鮨」の材料にされてしまいます(^^ゞ 海に下らない(下れない)状態で大きくなる環境があります。 それは、湖やダム湖が擬似的に海の変わりとなる場合です。広い環境と豊富なえさがあります。ワカサギという餌があるんです。春先によく行っていたダム湖ではおなかがパンパンになるくらいワカサギを捕食した岩魚をよく釣りました。サクラマスもいっしょです。 このような環境でそだったサクラマスは海から戻ってきたサクラマスとおんなじ姿をしています。大きさもいっしょくらいです。味は海から戻ってきたもののほうが美味しいようなきがします。 サケ・マスは自分のうまれた川に98%の確率で戻ってくるそうです。それは嗅覚によるものだということです。 産卵期のサケ・マスは哺乳類の皮膚から出る物質を嫌うそうです。鼻は良いようです(^^ゞ 餌釣りをしていると「濁った時にはミミズ・澄んでいるときにはブドウ虫」等といいます。味覚はあるのでしょうか? ヤマメにも舌はあります。また、口の中に味蕾(みらい)という味覚を感じる器官があります。この味蕾で味を感じることができるのではないかと考えられているようです。残念ながら私はヤマメではないのでよくわかりません(^^ゞ ただ、同じ場所で釣った魚でも胃の内容物に差があります。イマージャーだけを食べているもの、ダンを中心に捕食しているもの。何でも食べているものなどです。魚によって好ききらいはあるようです。 放流すれば一時期川に魚は増えます。ただし、環境(餌や広さ)は変わりません。川の生息許容数が変わらない場合放流はマイナスと考えられなくもありません。 また、放流した場所には一時期捕獲するものが多く集まる傾向があります。捕獲するものがあきらめるまでその川の魚の数は減っていくように思います。現に、放流をしなくなって増えた川もたくさんあります。(拉致される魚が減ったとも考えられる) 放流しなくても適正な数を守るルールを確立すれば魚は減らないと思います。「釣ったら放せ、たまには食べろ」ですね。 根こそぎ持って行ってはいけません!! 山に生えている木を切るとヤマメは確実に減ります。目に見えて減ります。 特に、伐採あとから土砂が流れた場合などは顕著です。 流れ出た土砂は川を平面的にします。ヤマメは岩や淵などで立体的に生息しているのです。こうして、住処がなくなります。また、土砂の中には細かい粘土(シルト)が含まれています。これは産卵場所を奪います。 岩の間に土砂が入ると川虫が住めなくなります。こうして餌もなくなります。 川に流れ出た土砂は安定しません。コケや水草がつきません。光合成をする植物が減ると水中の酸素量が減ります。また、これらの植物を餌としている藻食昆虫が減ります。藻食昆虫を食べる肉食昆虫が減ります。やっぱりヤマメは困ります。 木がなくなると陸棲昆虫も減ります。ヤマメ達はすごく困ってしまいます。 もちろん魚つりをする人も困ってしまいます。 小さな枝沢が種沢となり、かろうじてヤマメ達の種の保存が保たれている川がたくさんあります。 日本の川はどんどん貧しくなっていくのでした・・・ |