秘密のページ3!!

 

 

 この手品では客に一組のトランプ全部を左右に配らせたりと、いろいろと無意味な作業(もちろん演者にとっては意味は大アリなのですが)をさせなければなりません。このような手品はともすれば客によけいな負担を押しつけたり、演技が間延びして客を退屈させてしまうものですが、この手品のデメリットを逆に行かし、不思議さを盛り上げていく演出としてしまっているところが演出の妙です。まるで残された可能性を一つずつ消していくかのようにして次々と“不可能さ”を高め客を興奮させるタマリッツの演出は見事としか言いようがありません。

 

準備

 デック全体を赤黒交互になるように並べておきます。

 この状態で前のページに書いてあるとおりに演じれば最後に赤の山と黒の山に分かれ、その中に一枚だけ色の違うカードがあるのがわかります。それが客のカードです。

 

 仕組みを簡単に説明しておきましょう。まず最初にデックを何度かカットさせますが、これによって赤黒の配列は崩れません。

 

客にトランプの山をカットさせ、そこから一番上のカードを客Aにとってもらい、その次のカードを客Bにとってもらいます。当然この2枚のカードは違う色のカードのはずです。 そしてまずAにカードを戻させ、次にBにカードを戻させます。この部分がこのマジックのみそです。 これによって赤と黒のカードの順番が入れ替わります。つまり、赤黒赤黒…の配列が客のカードのところだけ黒赤となるのです。

 

 このあと何度かカットさせますが配列は変わりません。次に左右にカードを配らせますが、この動作の本当の目的はカードを赤と黒の山に分けることです。ところが客のカードのところだけ赤黒が入れ替わっているので逆の色のカードの山に入ってしまうのです。

 

 この手品で何度か「もう私にカードはわかりませんよね」と客に聞くところがありますが、これはそのたびに“当然そうだ”と言う調子で自信を持って聞きます。客が「はい」と言ったらすかさず「違います」と言います。これは笑いを誘い、その後なぜわかるのかを説明する度に客の興奮は高まります。