<和歌編>
少し変わった和歌を紹介します。
本来は縦書きで紹介したい所なのですが、横書きにて失礼いたします。
兼好法師はある時、親友であり、和歌四天王の一人と言われた頓阿法師の元へこんな和歌を送りました。
「夜も涼し 寝覚めの刈穂 手枕も 真袖も秋に 隔てなき風」
この和歌を平仮名に直し、頭とお尻の文字をつなげて読むと
よもすずし
↓ ねざめのかりほ ↑
たまくらも
まそでもあきに
へだてなきかぜ
「米賜え 銭も欲し」となります。つまり、お米とお金を是非送ってくれという暗号のような物が隠されていたわけです。
それに対して頓阿法師はただちに次のような返歌を送ったそうである。
「夜も憂(う)し ねたく我が夫(せ)こ はては来ず なおざりにだに しばし訪ねひませ」
同じように読むと「米は無し 銭少し」となる。
面白いと思いませんか?