ファングルフ−「月と心臓」
監督:アンソニー・ウィラー
実は、この映画の感想は、書かないつもりだったんですよね・・。私が感想を書かない理由ってノは、まあ、あまりにもつまらなかったり怒り心頭に達したりくだらなかったりするからなんですが、これは、なんか、どーでもいいやって感じが・・。いや、別に悪い意味じゃないんですけど。だいたいが、英語タイトルが「An American Werewolf in Paris」だって知った段階で、嫌ぁな予感が(笑)。「狼男アメリカン」の系譜な訳ですよねぇ。
まあ、話が、全編ギャグって訳じゃないですが(狼男アメリカンがギャグばっかって訳じゃないですよ)、基本的にギャグ的要素が多いんですよね。だいいち、最初に主人公の男とヒロインの狼女が出会うのが夜中のエッフェル塔で、しかも主人公はバンジージャンプをして、自殺しようとした彼女を助ける、とゆー(笑)。あんな状態で人をつかんだら、肩の関節の一つや二つ破壊されそうですが・・。
狼男に変化していく過程では、こんどは妙な霊能力が出てきて、友人や殺した女の霊(見た目はゾンビ)に付きまとわれたりする。このゾンビ霊どもがバタリアン的ゾンビギャグをやらかしまくるので、雰囲気とかそーゆーのは全然ない(笑)。かなり無理やりっぽいヒロインのセミヌードシーンとかも、なんだかなぁって感じです。どうしてこうお約束的な部分が多いのか。それもギャグ。うーむ。
もう狼男とか吸血鬼とかがダーク・ワールドを垣間見させてくれる、そーゆー時代ではないんかなぁ。そういえば、ユニバーサルかどっかでミイラ男映画化するって話はどーなったんでしたっけ??コッポラの「ドラキュラ」もアレだったしなぁ。「夜明けのヴァンパイア」は、あれは原作が秀逸だった分・・だし。
救い的には、狼人間は人間の心臓を摂取しないと弱るとか、自分を狼人間にした奴を殺すと元に戻るとか、まあ一応、一部には無理やりな科学的説明が入るけど、基本的にオカルトで、こーゆーのは嫌いではないんですが。満月にしか変身できないという「欠点」を薬物で克服するナチズム的狼男集団って発想は、なかなか面白いんじゃないでしょうか。
いやまあ、観る価値がない、とは言いませんよ。フルCGで描かれた狼男は世界初らしいし(って、最近狼男そのものが出ないもんな)、話としてはだいぶんまとまってると思う。ゾンビが全部悪いのかな(笑)。雰囲気のあるタイトル(邦題も、こーゆー場合は詐欺的商法だよなぁ(^^;))とイメージ・スチルにダマされるとちょっと・・って所でしょうか。
で、なんで上映終了してからだいぶ経つのに書くのかというと、これがアメリカで公開されたのは最近らしく、しかも結構人が入ってるらしい。どうもよくわからんものだ。[EOF]
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