インデペンデンス・デイ
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:ウィル・スミス、ビル・ブルマン、ジェフ・ゴールドブラム 他来た!観た!笑った!(笑)
自信を持って断言しよう、この映画は90年代最高の超娯楽エンターテイメントSFスペースオペラ映画だだだだだだ!!!!(笑)ロードショウは次の週末からですが、一週間前に先行オールナイトがあったので観てきました。しかも二回も(笑)。結局、二回とも寝ずに観てしまったなぁ。
タイトルからしてそうだけど、いろいろ情報を聞いている方ならさらにご存じのことだろう。アメリカ的に超巨大な宇宙人襲来に立ち向かうのは、アメリカン・スピリッツという名のアツい心!! そう、この映画全編を通して描かれるのは愛する人を守り、愛する国を守る、そして未来と自由を勝ち取る、そのために戦うアメリカン・スピリッツ!近年、あまりにも右翼的映画が忌避されてきた傾向を吹き飛ばす、痛快なまでの心意気。
笑える。これは笑える。ここに至って、右傾とか愛国心とかそういうレベルを乗り越えたところで、その心の“アツさ”は世界共通であることを知る。それはデス・スターに決死の突撃を敢行する同盟軍のアツさであり、ゴジラにオキシジェン・デストロイヤを突きつける科学者のアツさである。悲愴感も絶望も、愛とアツき心でぶっとばして最後の反撃に賭ける。これぞ究極のエンターテイメント。完璧なSFスペースオペラ。ひさびさに出会った「燃える」ストーリー。(いや、どれくらい燃えるって、島本和彦並みに燃える(笑)。)映画としては、そういう超燃えな部分と「宇宙戦争」からの由緒正しき宇宙人侵略パニックもののみごとなブレンドもの。世紀末の世相をもうまく取り入れて、パニックをみごとに演出してる。もっとも、それがメインではないから物足りない向きもあるかもしれないけど、そういう時にはアツいシーンに握りこぶしを固め、「これだ!(グッ)」と心の中で唸ってくれ(笑)。あるいは、こぎみのよいジョークにくすくす笑っても良い。そのバランス感覚がすばらしい。ご飯とおかずの量とバランスが絶妙、その上デザートまでが「欲しいなぁ」と思ったとたんにサッと給仕される。まさに一流レストランで食事をしているかのような快感だぞ。(いや、一流レストランてぇのはどんなんだか知らないけど(笑))
ここからは内容がちょこっと書いてあるので、まだ観てない人で知りたくない人は読まんといて下さいね。
オープニングのシーンからして、「そういう所から始まるかぁ?(笑)」と思わせる。「人類の偉大な一歩」が不気味な轟音と共にかき消されていくあたり、なかなかうまい。月からカメラが上がって、画面の上方をその巨大なマザー・シップがなめていく。スター・ウォーズのオープニングですか?これは(笑)
その宇宙人のマザーシップの質量は月の三分の一とかってデカさ。子機にしてからが直径25キロってのが、悪夢というより悪質な冗談だよな(笑)。(あのCMで雲を伴って大気圏突入してくるのは、あれ、「タダの」子機なんだよね(笑)) ビデオ映画「V」の円盤も巨大だったケドさ、今回はもっとデカイんじゃない?ただ、今回はテクスチャーがスター・デストロイヤーしているあたりも、ある種の開き直りも感じるけど(笑)。
で、電波に応答しないってんでアメリカ軍がとる手段が「ビジュアルな」コミュニケーション手段。これが、あなた、未知との遭遇じゃないですか(笑)。まあ、電子オルガン鳴らさなかっただけ褒めた方がいいんですかね?(笑)。で、で、その円盤が大気圏突入してくる訳ですが、テレビやなんかでおなじみの予告編の通り、その姿を最初は雲が覆ってる訳ですよ。突入時の熱で、でしょうかね、真っ赤に灼けた雲を突いて円盤が姿を見せるまで、まあ引っ張るわけですよ。イラクの砂漠、ペルシャ湾、ロシアからのテレビ中継と、あおるだけあおっておいて、それでもまだ見せない。都市を覆う影が圧倒的な存在感を期待させ、人々が口を開けて空を見上げ、車がさんざんぶつかっておいてからNYの空へドドーン!!でしょう。これがもうドキドキもんな訳ですよ。うまいですね。
ドッグファイトシーンとその後の展開もいいですよね。悲壮な戦いを繰り広げた後、ようやく一機を落とす事に成功、なにを思ったかウィル・スミス演じる空軍大尉は、悪態をつきながらコックピットによじ登り、エイリアンを引きずり出して問答無用でぶん殴る!!! いやもう、劇場全体がどよめきましたね、このシーンは。だって、たとえば“エイリアン”三部作で、だれかエイリアンを素手でぶん殴りました? いやもう、衝撃的でしたよ(笑)
で、後で知ったんですけどウィル・スミスってラッパーなんですって?そういえば妙に悪態のつき方がリズミカルでうまかったよなぁ(笑)。その後、パラシュートにエイリアンくるんで引きずっていく所なんかも最高。おいおい蹴るなよ、みたいな(笑)。あとは、そうですね、やはり最後の空戦シーンでしょう。まあ、宇宙を旅してきた戦闘目的の宇宙船が、地球の戦闘機用ミサイルでボコボコ穴あいちまうあたりは大目に見るとして(笑)。大統領は超カッコイイ演説の後に自ら戦闘機に乗り込むし(シャア・アズナブルかおまえは!(笑))、アル中オヤジのミサイルは飛ばないし。(もう、あの瞬間に先の展開(オヤジの運命)は全部分かるんだけど、それでもオヤジが突撃するシーンはゾクゾクするね。二度目に観てもドキドキしたもの。)
このあたりのシーンは、ある意味、ガンダムみたいな日本のアニメにもよくある、自己犠牲とヒロイズムのせめぎ合いなんだけど、そこにみなぎってるのは悲愴感じゃなくて、「(人類の)未来は自分(達)が切り開く」っていうアツいスピリッツ。燃えるシチュエーション!このあたり、ただのSF映画というよりはスペースオペラ的な、大時代的な良さがありますよね。なにはともあれ分かりやすいですよね。伏線も分かりやすいし、エイリアンの計画はテレパシー一発でわかっちゃうっていうのが単純明解でいいですな(笑)。相手が異星人であるだけに、「平和のために戦う」という一見矛盾した大義名分がストレートに伝わってくる。アメリカ的なモチーフを大量に突っ込みながらも、そのスピリットは民族もイデオロギーも超越したもの。ズバリわかる。これぞ娯楽映画の醍醐味、エンターテイメントの王道。
この映画全体に言えるけど、話のテンポが非常にいい。まあ、たった三日間の話だから、というのもあるけど、シーンとシーンのつなぎといい、静から動、動から静への展開のうまさ。(エイリアン解剖シーンで「ガバッ!」と行くとこなんて、劇場全体がビクッ!と動くんだぜ?(笑))そしてハッピーシーンとサッドなシーンの連続コンボ攻撃。合間合間が中だるみしそうになると、すかさず新しい場面に展開して観客をたたき起こす。
いやー、ここんとこいろんな娯楽映画を観てきましたが、ここまでプロットがしっかりしててテンポがいい映画は久しぶりです。そして要所要所に織り込まれたマニアックな遊びがマニア心をくすぐる。最初に宇宙人の電波をキャッチするのはSETIの機関で、ここがまた、どうみてもヒマを持て余してる(笑)。いや、本気でSETIをやっている方々には申し訳ないが、なかなかブラック・ジョークが効いていてよろしい。
全国一千万の矢追純一ファンが泣いて喜び、全世界数億人の「Xファイル」ファンが喝采する「ロズウェル事件」「エリア51」「アブダクション(宇宙人によるとされる誘拐)」のプロット・インサート。「この件」を取り扱った映画やテレビドラマが多い中、臆面もなく前面に押し立ててくるのだから頭が下がる。まったく、なに考えてんだ(笑)。でもそう思って良く見ると、アーモンド形の目をしてるあたり、「グレイ」に似てるかもね(笑)。
世界を救うのは、やはりユーザーの直観の方がずっと正しい(笑)アップル・マッキントッシュ。まあ、宇宙に持ってくんだったら、パワーブックが3キロあっても大丈夫だわな。でも、肝心なところでフリーズしやしないかとびくびくしてたのは僕だけじゃないよね(爆)。・・・・あの・・・・・・ところで、ちょい・・・・いや、結構マニアな話になるんですけど、マザーシップ突入シーンで、エイリアンの二次侵略船(山ほどエイリアン乗っけてくる、上陸用舟艇?)がでてくるんですが、これは円盤じゃないんですよ、で、これ、どっかでみたことあるなぁ、と思ったら、ビデオ版「銀河英雄伝説」にでてくる、帝国サイドの戦艦にそっくりなんですよ、フォルムが・・・・。あのー、もし詳しい人が観に行ったら、ちょっと確認してみてもらえませんかね?(笑)
そーんな訳で、ハイライトシーンだけ書いてても大変な量になっちゃうんでもうやめますが、とにかくこれは観に行きなさい。他の映画より長いし高いけど、これを観ずして娯楽映画を語るなかれ!というできですよ、これは。
そう、SFとか戦争物っていうスケールで観ると面白くないし、右傾してて鼻につくかもしれないけれど、単刀直入な娯楽物としてみるのが正解でしょう、この映画は。なーんにも考えないで「楽しむ」ことだけ考えてればいいんですよ、ホント。
スケールが(アメリカ的に(笑))デカイから、劇場で、それもできるだけスクリーンの大きな劇場の、良い席で観てほしい。グッと拳を握り締めて「燃える!」と叫びたくなると思いますよ。
ああっ、もう言葉につくし難い!あとは劇場で、あなたが確かめてくれッ!
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