仮面の男

主演:レオナルド・ディカプリオ
監督:ランダル・ウォレス

 ・・・・なんで「鉄仮面」ってタイトルじゃないんでしょうね?これ。おそらくディカプリオが主役じゃなかったら「鉄仮面」だったろうな。銃士の誓いの言葉なんかが旧来どおり訳されてる(らしい?)のに対してこれはねぇ。まあ、それだけディカプリオがいい男だって訳?うーん、納得いかん。

 それはそうと、内容であるけれど、「鉄仮面が実はルイ14世の双子の兄弟で・・」っていう話は、小説でもマンガでもよくある話。実際のところ、僕はデュマの「鉄仮面」は読んでないんだけど、ま、原作を知らないこともいい事だって事で。

 そんなわけで、メインのプロットは実際にはさほど新しいものには見えないけど、「引退した三銃士が再び集結して・・」って所が、なーんかオヤジの逆襲めいててなかなかそれ自体に味があるというかなんというか(笑)。しかもトリオというのは、それぞれに対照的な性格を付するとそれだけで楽しいもんですな。

 ・・・・なんでこんなことをグダグダ言ってるかというと、ですねぇ・・・・・・・・・・・・あまり印象に残ってないんですよね、この映画。まあ、ハデな映画が多いですから?僕の場合は。ハデな所というと、マスケット銃の撃ち合いとか、斬り合いぐらいでしてね、しかもマスケットってのは当然単発な訳でしてね。いまいちこう、映画らしいハデさってもんに欠けるんですよね。仮面舞踏会なんかのシーンもあるんだけど、いまいちこう、ゴージャスさに欠けるというかなんというか。うーん、「タイタニック」の方がハデという点ではハデなんですよね・・。なんでなんでしょ?まあ時代を考えれば、今より薄汚れているのは当然ですからね。そんなにハデハデってことはないんでしょうけど、なんか安っぽさが、ね。ああそうか、人が結構ギッシリになってるからそう思うのかなぁ?うーん、よくわからん。

 結局のところ、この映画は焦点がぼけてしまっているんですね。主役が誰なのか、判然としない所なんかが。三銃士の映画だったのか、ダルタニヤンの話だったのか、ルイが主人公だったのか、フィリップがメインだったのか・・。正反対の二役を演じ分けたディかプリオもすごいですけどね、結局、「一本でディカプリオが二倍!」みたいな、お茶の間ショッピング的売り文句に過ぎなかったのかなぁ、と。二倍プリオを使ったことがみごとに裏目に出てしまった、という感じがします。話として面白くなくはないんだけど、いまいち盛り上がりに欠け、最後の決戦は無理やり盛り上げたので話のスジがおかしくなってしまった、とか。(アレでは結局、ルイとフィリップが入れ替わったってのが銃士隊には公然の秘密になってしまったわけで・・そういう意味では歴史を変えてしまっている訳で・・・・。)

 そんなんで、いまいち消化不良ぎみな感じが、しますね。[EOF]

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