ロスト・チルドレン
監督:ジャン・ピエール・ジュネ
美術監督:マルク・キャロ
出演:ロン・バールマン、ジュディット・ビッテ他

 この映画には反則技が使われています。「黒髪の、十歳前後の、ホクロがある、とんでもなく大人びた女の子」ってのは、こーゆー使われ方をすると凶悪なまでに存在感を放ちます。「魅力」というよりは「魅惑」っていう表現が適当なほど(笑)。そしてそれを一層引き立てる、怪登場人物達。反則です。これやられると、文句のつけようがない(私は決してロリコンではありません(^^;))。

 怪奇幻想的な、という言葉のあてはまる世界の作り方は、さすがです。テンポの良い展開と特撮の非常に効果的な使い方(「あ、特撮だ」なんて思わせてるウチは特撮って役にたたないよね)と全体に漂う不思議な雰囲気で表現される世界は、個人的な意見ですが江戸川乱歩の世界に通じる妖しさがあります。フランス人がこのような雰囲気を理解するとは、正直、驚きました(失礼)。

 「夢を見れないがために急速に歳をとる、でき損ないの人造人間が子どもの夢を盗む」というストーリー、盗みをするストリート・チルドレンと恵まれない大男。要素要素だけ見るとやたら暗い話しになりそうですが、そこはそれ、ちょいブラックなユーモアをふんだんに使って、楽しい映画になっています。(じゃあ不気味とか悲哀が消えてるかというと、そういうことがない。)完全なギャグ映画のようにベタなジョークやパロディを使う訳ではないので非常にライトな感覚です。

 お勧めの一本です。実はLDが出ることを期待しています。[EOF]

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