天使の贈り物
監督:ペニー・マーシャル
主演:ホイットニー・ヒューストン デンゼル・ワシントン

 タダ券をゲットしたので観てきました。
 まあ、一大感動巨編でもないし、超スペクタクルでもない。まあ「ほのぼの系」とでもいえる映画。泣くほど感動する訳でもないし、グッと握り拳でもない。観終わった後にほんわかしていればいいな、という意図の映画ととれる。
 ストーリーは、なにやら行き詰った教会の牧師のところへ天使がやってきて、危機を乗り越えようとしたら、この天使と牧師の奥さんがほんんわか恋をして・・みたいな話。天使はいろいろ奇跡を起こせるけど、見た目は普通のあんちゃんだし、美人には恋もする。最近の天使にはこーゆーのが多いような気がするんですが、気のせいでしょうか?

 ああ、そうだ、もう一つの側面がありますよ、この映画。早い話、ホイットニー・オン・ステージ。むこうのプロテスタント黒人系の教会がみんなそうなのか知らないけど、最初から最後まで歌って歌って歌いまくる。(そりゃ、歌ってないときもあるけど。)「天使にラブソングを」みたいに歌がメインの映画ではないけど、やっぱホイットニーは歌うまいよね(あたりめぇだよ(笑))。だからという訳ではないけど、牧師の奥さんには見えなかった(笑)。

 面白いのがこの映画、全編を通じて黒人しか出てこないってこと。白人は、テレビ関係者ぐらいでホントに10カットかそこらなんじゃないのかな?(あ、でも裁判とスケート場のシーンがあるからもうちょっとはあるかな。)なーにしろ天使からしてデンゼル・ワシントンだからね。最近の映画はいろいろ考えて人種とかを平等に出しているらしいけど、それは逆に欺瞞なのかもね。カメラの角度によっては白人だけのこともあるだろうし、黒人だけのこともあるだろう。この映画の舞台になっているような町の一角をショットすれば、こうなるのはあたりまえ。妙なてらいがなく、それが映画全体をまとめているのでなかなか良し。でもまあ、この後に書くことも含めて、日本人には違和感があるかもね。セールスの仕方もあるだろうけど、これ、アメリカじゃ結構入ってるんだって?まあ、そんな感じだよね。

 愛、若年犯罪、信仰心、信頼、地域の団結といった、アメリカ社会の問題をストレートに映しているので(そしてそれを無理やり大団円に持っていくので)ストーリー的に特筆すべきものはないし、日付感覚がわかりにくい(クリスマス前からの物語なんだけど、実際、今何日なのかよくわからない)以外は演出的にどうこういうつもりもない。(というか、言うほどなにかしているわけでもない。)非常にオードソックスな、ステロタイプな映画なので、なんとも。まあ、盛り上がりにかけている、という向きもあるかもしれないが、要所要所にホイットニーの歌声が響きわたってしんみりしてしまうので、観ている間はあまり(盛り上がりがないとは)感じないかな。
 ・・・・ううむ、ホイットニーの歌声で山を造ってしまうあたり、卑怯と言えば卑怯か(笑)。まあ、あとから考えると「なんだったんだ、この映画。つまらなくはなかったけど」ぐらいの印象は残る、けどね。

 ま、いいでしょ。こういう映画に面白いとかつまらないとかいうと罰が当たりますよ。きっと、彼女・彼氏と手をつなぎながら観てるとほんわかしてくるんじゃないんですか。ええ、そうでしょうとも。ええ、ええ、きっと、そうでしょうとも。(←いや別に怒らなくても・・)[EOF]

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