ジェダイの復習<特別編>(スターウォーズ)
出演:マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ハリソン・フォード 他ついにお待ちかねの三部作完結編である。正直なところ、ストーリーはもうわかってしまっているし、どういうシーンが展開するかもすっかり知ってしまっている。普通の映画を観るにあたって、これは決してよい傾向とは言えまい。
しかし、これは驚いたのだが、どの場面もハラハラドキドキしっぱなしだった!そのシーンの結末がわかっていても、次に何が起こるかわかっていても、極端な話、次の瞬間のルークのセリフが思い出されても、だ。まるではじめてこの映画を観るかのように心臓は高鳴っていた!これはすごいことだ。
特別編ならではの追加シーンがあるからではない。正直なところ、旧作をビデオやLDでじっくり観たわけではないので、パンフレットがなければ追加シーンにも気がつかずに終わっただろう。20年前の特撮のレベルの高さにもさることながら、それをぶち壊すどころかより高いリアリティを付け加えている今の特撮技術にも驚きだ。あらためて、ジョージ・ルーカスという人間の手腕なのだろうな、と思い知るところがある。インディ・ジョーンズの一作目にせよ、最近ではジュラシック・パーク(ロスト・ワールドは観てない)にせよ、中には内容的に空虚なものもあろうが、「娯楽」としてのバランス感覚にこれ程優れているクリエイターもいないのではないかと思う。僕が以前「娯楽大作」として絶賛した“インデペンデンス・デイ”は、娯楽大作であり、十分楽しめたには違いないが、ややケレン味が強すぎるきらいがある。(僕はそれは嫌いじゃないけど。)テーマ的に優れた映画はたくさんあるが、どんな人間も平等に「楽しませてくれる」かどうか、となると難しい所ではないだろうか。
スター・ウォーズが今だにSF映画の頂点に君臨している理由は、もちろん特撮を生かしたSF的リアリティ(?)であろうし、魅力的なキャラクターでもあろう。しかし何よりも、ストーリー・テーリングの絶妙なバランスがあってこそ、それらのものが生きてくるのではないだろうか。想像を絶するSFなのではなく、「むかしむかし、遠い銀河で・・」というオープニングが表すように、ぐっと身近な「昔話」的感覚で楽しむことができるのだ。桃太郎や金太郎の物語がそうであったように。ゴジラやウルトラマンがそうでないように(そうでないのがいけないって言ってるんじゃないよ)。
ま、そんなわけで、できれば三部作まとめて楽しんで頂きたい。(さすがにもうやってないかな?)老若男女を問わず楽しめる、ある意味完璧な娯楽の一つのスタイルだ。[EOF]
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