タイタニック
監督:ジェームス・キャメロン
主演:レオナルド・ディカプリオ ケント・ウィンストレットさて、超大作なのである。「いまさら何を言ってるんだ、お前が更新サボってる間に俺は四回観たぞ」みたいな方は大勢いそうなのであるが、まあ、さすがに三時間オーバーの映画ともなると二の足を踏んでしまうものである。(ちと不幸な事件も重なっているしねぇ・・これについては近日アップ予定の「エイリアン4」の項参照のこと。) 実際のところ、「おのこのくりかへしみるといふたいたにっくなるものをみにいく」みたいな気分だったんで、まーあそんなに期待しているものでもなかった。ただ周囲の評判から察するに、ベタベタのロマンスでもなく、かといってSFX押し出しの作品、という訳でもなさそうだなぁ、じゃあなにがいいんだろう、みたいな印象はあったのだな。
そんで今、これを観終わって少し経つわけだが、そこで今いえる一言は「これはすげぇよ!」である。まさしくこれはクリティカルヒット、致命的命中、つうこんのいちげき、痛打表で二回振れ、「首をはねられた」、という言葉の羅列によって表現されるべき、タイタニックも沈む破壊力である。おそるべし、氷山!(←ちがうだろ)
さすがにアカデミー賞を総ナメにしただけのことはある。完璧に再現された(らしい)タイタニックと深海に沈むタイタニック。現在の映像と過去の映像が確信に満ちたオーバーラップによって結ばれ、繋がっていく。この映像は、映像が人間の想像を完璧に近い形で描写した好例といえよう。ものがたりのかなめかなめで映像テクニックが使われ、ストーリーの流れを切ることなく時空を行き来する、その手口の素晴らしさといったら!特にラストシーン、皆が泣いてしまうとゆーあのシーンを展開させるためにはあの表現以外にはないでしょう!お客さーん!!
・・とまあ、ひとしきり感動した後には、ちょっと冷静になって作品を思い直してみましょうか。
みなさん、どんなところに感動しましたか?ラストシーン?あれは、まあ、ある程度狙ったなぁって気もしますが(それを言ったら全編そうなんだが)、なにより心を動かされるのは「史実」の部分のような気がするんですよね。つまり、最期まで演奏を続けたバンドメンバー、天を見上げて沈んで行った設計者、自らと船の運命をなすすべなく見送った船長、命令に忠実な水夫たち、紳士たち、淑女たち、子供たち。
それから、史実とまではいかないけれど、当時の世相を忠実に再現している(らしい)描写の数々。すなわち、蒸気機関に石炭を投げ込む人々、“レディ”の作法を身につける少女、二等船客、希望に満ちたアメリカ、ルノー、そして(これは半分ジョークだろうが)フロイトの“突飛な”学説。
それらが持つリアリティが、この映画のなによりの見どころだと思うのですよ。落下する人も、折れる船体も、そういったリアリティの全てが僕らを打ちのめしているんじゃないかと思うんですよね。主人公たちとそれを直接取り巻く人々は勿論のこと、それ以外の人々に、味があることあること・・・・。ちなみに、私が一番うるっときたのは、バンドメンバーの一人が「君達と演奏できたことを誇りに思う」って言ったところです。でもまあ、主役について話しておかないわけにはいきませんわな。で、ちょっと話しておきますか。 まずは「刑事プリオ」とかって変な役もやってる‘レオ様’ことレオナルド・ディカプリオ。(余計なお世話かもしんないけど、仕事は選んだ方がいーよなー・・。)なーんかちっちゃい人に見えるんですけど、実際どーなんでしょ? やわな雰囲気があるんで、「貧乏青年画家」って役柄は結構当たってるかもね。ちうか、こーゆー古い年代が舞台として向いているのかも。そういえば、観てないけど、前作は「ロミオとジュリエット」だよね?現代アレンジだったってゆーけど、なにせシェークスピアだからなぁ。しかも次は「鉄仮面」らしいぞ。(タイトルは違うけど。)やっぱりみんな、そう思ってるんだな。きっと。
まあ、おねーちゃんたちが黄色い歓声を挙げるのもわかるけどさ(そりゃぁ美形なんだろうよ、主役だもんね)、思ったより表情が子どもってゆーか、ありゃ、おそらく「カッコイイ」より「カワイイ」部類に属するんだろうな、女性の基準だと。まあ、それでいてカッコつけも決まっちまうってゆーのが腹立たしい限りだが(笑)。
でさぁ、そんで子どもみたいな表情でにっこりとかするわけですよ。同じ人間でY染色体持ってるに違いないだろうに、どーしてこんなに違うもんですかね?(笑)で、主演女優がケント・ウィンストレッドだけど、こっちはこっちでプログラムにも「衣装映えする女優」みたいな書かれ方したっつーくらいで、確かに、例えば乗船するときの彼女ってば、上流階級貴婦人な恰好してて、美人に見えるんすよね。でもその後はあんまり顔が映えないんよね。つまり、その時は似合わない衣装を着てるとき、ってことなのかもしれないっすね。パーティドレスとか。
逆にラストシーン間近、係員に名前を尋ねられるシーンなんかの顔はスゴイ印象深くて、「化けたか?」って思ったりもしましたが。
まあ、なんというか、現代的な超美人ではないんでしょうな。やっぱり時代背景にあったっていうか。確かにあの場面にスーパーモデルみたいなのが歩いてたら、ほとんど宇宙人みたいなもんでしょーからね。 まわりのベテランに比べれば若干ぎこちない感じもしますがね、まあ、しょうがないでしょう。逆にじゃじゃ馬お嬢様みたいな感じが出ててよかったかもしれませんね。まあ、という訳で、なにやら話にまとまりがないのは、いかんせんあちこちよくてどーしょーもないからです(笑)。いや、マジで、これ、もう一回観に行こうかしらん?
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