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人間の諸活動を考えるとき、何がどれだけどのくらいできるかが問題となります。
即ち、活動の範囲・質・量・継続性などを問題とします。
”働く”ということを考えるとき、先ず第一に考えて欲しいことは、継続性についてです。
どんなに素晴らしい才能・能力でも、どんなにすごい能率でも、やり遂げることなく途半ばにして倒れてしまうような働きぶりでは、何にもなりません。図1の右端の状態です。
図1
図1にある「適正ストレス状態」、これを考えておくか否かで、結果には大きな違いが生じます。
今現在がこの「適正ストレス状態」にあるかどうかを正確に「知る」のは、非常に難しいことです。その日の疲れ具合などで、同じ状況でも、それが「適正」になったり、「過小」になったり、「過剰」になったり、という具合に動くからです。
現在のところ、数値等として把握される「適正ストレス状態」に近いものとして「乳酸閾値(いきち):LT」というものがあります。図2がそれです。
図2
筋肉を動かすにはエネルギーが必要です。自動車がガソリンなどを燃やして動くように、筋肉もブドウ糖・グリコーゲンといわれるものなどを燃やして(分解して)動きます。
ガソリンが燃えると二酸化炭素などの排気ガスが発生しますが、ブドウ糖などを燃やすと「乳酸」が発生します。つまり、筋肉を動かすと筋肉中に「乳酸」が発生するのです。
筋肉内に発生した「乳酸」がどんどん貯まっていくと、筋肉は酸性になって、固くこわばってしまいます。これが、筋肉痛の状態です。
筋肉に発生する「乳酸」は、筋肉の中を流れる血液が運び去ってくれます。「乳酸」はその後、肝臓に運ばれ、水と二酸化炭素に分解されて処理が終わります。また、血液は、筋肉を動かすエネルギーの素ととなるブドウ糖などを運び込んでもくれます。
筋肉を動かせば動かすほど「乳酸」は大量に発生しますが、血液がどんどん運び去ってくれます。でも、血液が運び去ってくれるのにも限界はあります。運び去る限界を越えてくると、それ以上は加速度的に「乳酸」が筋肉内に蓄積してきます。それを現しているのが、図2です。
図2の横軸が筋肉を動かす強さ、縦軸がその強さの時の筋肉内の「乳酸」の量を示しています。
LTとして矢印で示しているところが「乳酸閾値」と名付けられている点です。ここが、発生する「乳酸」と血液に運び去られる「乳酸」のバランスがとれる最大の地点となります。つまり、筋肉の運動をいつまででも続けられる理論的な最大強度を意味しています。丁度、図1の「適正ストレス状態」にあたります。
マラソンの中継を観ていて、42.195kmを走りきって平気な顔をしている選手が時々いますが、そういう時が、LT強度で走りきった時なのです。
私たちでも、自分のLTを知り、42.195kmを走るだけのエネルギーを体の中に蓄え、42.195km身体を動かすときに加わる衝撃に耐える足腰を鍛えれば、時間はともかく、42.195kmを走り抜くことも可能なのです。
詳しくは、各論で再度まとめたいと考えています。
以上、図1にあるような「適正ストレス状態」を頭に置きながら、自分も仕事をし、人にも仕事を与える。これが、事故を起こさず、最大限の力を発揮しつづけるコツなのです。