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健康教室

疲れについて  日本人の美徳・・・勤勉
  疲労回復法

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日本人の美徳・・・勤勉

 日本人は本当によく働きます。日本人にとって、のんびりしていることは罪なのです。このことこそが、鎖国による出遅れを取り戻し、戦後の荒廃からの驚異的な立ち直りを可能にしてきた要素の一つなのでしょう。
 しかし、この「勤勉」という美徳の活用法の見直しが必要になってきたのでは、と感じています。
図1疲労回復曲線
 図1は、疲労とその回復の概念図です。
 太い実線は、小休止を入れながら作業をした場合の疲労の度合い変化を示しています。
 破線は、限界まで作業をした後の疲労の回復状態を示しています。
 リエンジニアリングの進行で、判断業務が増え、単純業務が減ってきています。
 単純業務については、図1が非常に参考になります。単純業務に於いては、業務の達成度は、遂行した量とその質とによって評価されます。どんなに大量に生産しても欠陥品だらけでは話になりません。作業の質を左右するのは、集中力・注意力です。疲れると散漫になってきます。作業の質にとって過労・蓄積疲労こそが大敵なのです。
 しかしながら、日本人の「勤勉」美徳感覚は、歯を食いしばり、限界に挑戦する姿に高い評価を与えます。作業能率が落ちない程度に適当に小休止を入れながら作業を涼しい顔で続けることは、美しくないのです。
 この美的労働観は、ある程度のミスは許容される分野の労働では、特に問題は起こしません。ところが、最近のコンピュータ化されてきた業務においては、まだまだコンピューターが未熟なため、ほんの少しのミスも許容してくれません。
 例えば、1,000枚の伝票入力作業を考えてみましょう。Aさんは、200枚/時間の作業能力を持っているとします。
 根を詰めて5時間で伝票を入力し終えた場合、疲れて仕事をしたが故にミスが発生した可能性もあるので、チェックに20分程度かけることになります。しかし、図1の破線のような状態になったので、疲れが残ってしまいました。一晩寝て取れれば良いのですが、取れなかったら蓄積し、常に疲労状態でミスの発生しやすい状態での仕事を続けることになります。
 それに対して、1時間程度の仕事をして5分間の小休止をとるという図1の実線のような仕事の仕方では、5時間20分かかっても、疲れていないのでミスはほとんどなく、従ってチェックする必要もなく、なおかつ、まだまだ仕事を続けることができます。
 その差は歴然としたものがあります。

 精神論による「勤勉」労働観から、身体原則を踏まえた「勤勉」労働観へと転換すべき時代になって来たように、産業医の眼からは見えています。


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