大腸がん検診(便潜血検査)について

○免疫便潜血検査法で早期発見ができます

  ・免疫便潜血検査は便の中に血が混じっているかどうかを調べる検査です。

  ・腸の中にあるポリープや癌は出血していることが多く、その出血を鋭敏に見つけ出すのがこの検査です。
           

  ・しかし、人の血液はポリープからの出血も、痔や生理からの出血も成分は同じですので、

   痔出血からの血液が便に付着したとしても、それは便に血が混じっていると判定されます。

   採便する時は生理中や痔出血のない時にしましょう。

 

人の血液(ヘモグロビン)はタンパク質ですので、高温の状態で長時間放置すると変性して壊れてしまいます。

たとえポリープから出血があったとしても、血液が壊れた状態で検査をすると陰性と判定されてしまう可能性があります。

郵送による検査ですので、真夏に長時間ポストにとどまるとこの危険性も出てきます。

検査はなるべく涼しい時期にお受け下さい。涼しい時期でも採便から提出までの間は、なるべく涼しいところでの保管が望まれます。

また、昔のギョウ虫検査のように便を大量に採取する必要もありません。

便の表面をあちこちなでるようにして少量を採取します。

血液を拾い上げるために、いろいろな場所から採取する事が非常に大切です。

 

前述に 『ポリープや癌は出血していることが多い』 と書きました。

しかし中には出血を伴わないものや、時々しか出血しないものもあります。

採便を2日間続けて行うのは、より確実に出血を拾い上げるためです。

しかしながら病気を拾い上げる完璧な検査ではありませんので、一年に一回は便潜血検査を受けることを強くお勧めします。

では、『何故こんな検査をするのか?』 『もっと良い方法があるのではないか?』 と思われるかも知れません。

もちろん潜血検査よりも内視鏡で腸を観察する方が確実です。しかし、大腸癌の検診を受けられる方は大変大勢おられます。

当施設では年間1万人ほどの便潜血検査を行っています。内視鏡検査を全員に行うことは到底無理なことです。

そこで、その中から効率的に病気を見つけだすのがこの便潜血検査なのです。

しかし、あくまでも一次スクリーニングとしての検査ですから、気になる症状がある方は精密検査を受けられることをお勧めします。

○更に詳しくお知りになりたい方は、よくわかる「大腸がん検診」ガイドブックをご覧下さい。