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2008年7月分


[渋谷花のえんで朗読会と上映]

7月26日
 渋谷で合評会のあと、白鳥信也さんが「花のえん」で開いた
朗読会へ流れてゆきました。
 はじめてお目にかかる人も含めて、わりと内輪で朗読会と上映。
 ひとりひとりの声をリラックスした雰囲気で聞けて、詩が肌で
感じられるよいひとときでした。
 
 泥C(ドロシー)さんの思いの丈、滑舌よく書くことや生きることや
時間と焦燥が絡み合ってびしびしと今が伝わってきました。
 彼女をトップバッターにしてつぎつぎと、聞き入ったり、詩に笑わせられ
たり、臨場感で詩が活気を帯びるのを目にしたりと、濃い時間でした。
 私は写真の奥のガムテープで留めた白い布の上に『3月の呼吸』のDVDを
プロジェクターで上映しました。
 詩人にみてもらうのはいつも緊張します。川口さんが私の写真は詩を書いて
いるまなざしから撮られているから詩とおなじように受け止められると
いうような感想を言ってくれて、私も写真を選ぶ時点で、ことばと深く
関わっている選択をしているのだと思っているので、伝わったのだな
と少しほっとしてます。






[蔓は草の手]

7月24日
 葉の裏に数匹の虫が身をひそめているので、葉が重そう。
その葉をつけている蔓草の姿をみたら、隣のすっと生えている
草を蔓の指を巻き付けてしっかり握っている。この虫たちは、
この葉裏をいつも宿にしていたのかもしれない。だから重くて
蔓草は、おもわず隣の草にすがってしまった、なんてことも
ありそうです。

 暑くて、だるさがでます。そして眠いです。でも寝ると
寝苦しくて、何度も目がさめてしまうので困ったものです。
 強い陽差しのなか、お米5キロを買って、野菜や何かを買って
スーパーマーケットから担いできたら、重くて暑くて汗が吹き出
しました。あまり明るい日光にさらされると、かえって気持ちが
沈んでしまうことがあります。きょうのように。どういうことに
なっているのでしょう。


 風の族さんが静岡から出張のついでに、ビルの通路の展示file.3
を見てくださったのでした。五十嵐倫子さんが見た感想をミクシィ
に書いていて、写真に言葉を入れた初の試みなのでとても参考に
なりました。
 
 片岡直子さんはfile.2を、かみいとおほさんはfile.1を
見てくれていたのでした。


[夏のマトリョーシカ/峯澤典子詩集『水版画』]

7月22日
 とおく故郷のロシアの夏はどんな気候なのでしょう。蒸し暑い
東京の喫茶店の窓辺でマトリョーシカがほほえんでいました。

 峯澤典子詩集『水版画』ふらんす堂刊、を読みました。
「舟遊び」では死んでしまったわたしが対岸のうまれたばかり
のわたしへともし火の舟を送るという、一見幻想的な詩なのですが
とても深いこころの切実な希望が光を放つ火に託されているのが、
伝わってきてよかったです。水が広がる詩集ですが、だからこそ火が
強く表れ「出発点」も見送る船にテープの代わりに伸ばし続けた
髪を投げ渡すと、愛したはずの人の火影が、力の限り、髪を
燃やし尽くすというなんともドラマチックな別れが現されています。
『水版画』は別離と出発の詩集というように読めました。



[夕暮れのトリック/短歌誌『ES』15号]

7月21日
 沈みゆく太陽を電線が貫いているように映ってしまった。
電線がさまざまにデザインする空がここでの空だから、月や太陽
もまぬがれないのですね。

加藤英彦さん編集・発行の短歌誌『ES』15号に詩を載せていただきました。
特集トリックのために、詩「私も剥がれて」を書きました。


カント゜はアイヌ語で大空のことをいうようです。
日本語のドでもトでもなく英語のtでもない固有の音。
私ははじめて知りました。また表記のこだわりもはっと
しました。

桜井健司さんの証券マンの歌も健在でした。
松野志保さんが「だからマンガはやめられない」ジャンル評
コーナーでよしながふみの『フラワー・オブ・ライフ』に
ついて書いていて興味深かったです。


ご希望は加藤英彦さんまで。es_kato.7226@jcom.home.ne.jp

販売書店は ジュンク堂新宿店 白樺書院 タコシェ 模索舎



[文字と音のまわり]

7月20日
 きのう柏木麻里展 「蜜の根のひびくかぎりに」へ行きました。
森岡書店は雰囲気のある茅場町の古いビルの中にあって、前に
飯沢耕太朗さんの紹介で伺ったことがあり、久しぶりでまた静な
白い部屋を訪れることができました。
 詩集「蜜の根のひびくかぎりに」の文字が壁に縦にプリントされて
あり、微妙な大きさが空間を作りひろげていました。柏木さんの一言一言
確かめるような朗読のあと、現代音楽の作曲家の作曲でビオラの演奏
とソプラノの声が響き、縦に流れる言葉の弦と、渦のようにわき上がる
繊細な音の旋律が響きあって、この場が動いているようでした。
 視覚と聴覚とが溶け合うようなインスタレーションはみごとでした。



[日々のなにげなさには]

7月18日
 ふっと置かれたばかりらしいブドウの清涼飲料水の空き缶。
さびた棘の間で時間の長さがくっきりと違う。日々のなにげなさには
さまざまなことが顔をのぞかせている。


 日々のなにげないところから撮られている映画で、
とても面白かったのは、『歩いても 歩いても』と
『ぐるりのこと』。そしてなにげない朝の食卓から
とても想像できない展開になる『アフタースクール』。
この3本はほんとうに面白いです。



[星月夜

7月17日
 夜の公園を歩きました。雲が流れて明るい月に様々な表情をつけてゆきます。
月のそばによりそう星が一つキラリ。見上げると幻想的でした。 


[スリッパ猫]

7月15日
 シロはこのところ、このスリッパが気に入ってしまって、いつも
スリッパにのっている。私の履いていたスリッパはすっかりシロ
の毛だらけになってしまった。

 東京ポエケットでは、多くの人の参加で広い会場も、行き交う人
でたいへん賑やかでした。「モーアシビ」のブースにもたくさん
いらしてくれて買っていただきました。ありがとうございました。
 五十嵐倫子さんが「もーあしびソネット」を作ってかわいいデザイン
のチラシにして持ってきてくれた。9月15日のモーアシビ朗読会の
お知らせも含めて、配ることができた。売り子は五十嵐さんと、
福田純子さんと私だった。白鳥信也さんは、隣のブースの「フットスタンプ」
を掛け持ち。白鳥さんは七月堂から出た音楽と女性の声の朗読のCD
響音遊技1『微水』を販売。フットスタンプは小島浩二さん、池田俊晴さん
が売り子。
 一年ぶりに会う人や、はじめてネットの外でキキさんに会えたり、
よい交流をもてました。犬飼愛生さんは大阪から!島野律子さん、かみいとおほ
さん、流川透明さんなど詩学の投稿覧から知り合った人たちの元気な姿をみら
れてよかったです。短歌とのコラボの新詩集『セラフイタ氏』を出版した柴田千晶さん
とも言葉を交わせました。
 ブリングルさんからは「なかとそと」というはじめて自分の詩をまとめた
という手作り小冊子をもらいました。杉澤加奈子さんから「ど素人お洋服談義」
という二人誌をもらいました。また島野律子さんから「プラスマイナス」109号
(なんと、19年目ですと!)をもらいました。
 なんだか貰ってばかり。売り子をしてるとあまりゆっくりブースを回れなくて。
 そうそう鈴川夕伽莉さんにも会えて、詩集「ミドリンガル」をもらいました。

 小島きみ子さんの詩集『((天使の羽ねはこぼれてくる))』・エッセイ
『光の帯』セットをモーアシビのブースに置かせてもらったのですが
完売できました。表紙の写真を協力した縁で、私家版のこの詩集の販売を
手伝いたくて長野から送ってもらったのでした。持ってゆけなかった
(数セットがまだ家にあります。読んでみようという方はメールくださいね。
セットで2000円です)

 ゲストの朗読は服部剛さんと川口晴美さん。川口さんは力作の長編詩が
聞き応えありました。多くの人が前に集まって聞き入りました。
主催者のヤリタミサコさんが川口さんの詩を自分の詩の旋律で読んだ
のもとても面白かった。ヤリタさんとポエケットも10年になった
のですね、と話した。はじめの頃、私はバラの写真を舞台の床に敷き詰め、
そこで詩の朗読をしたのでした。そんな懐かしい話もしました。

 帰りぎわ久谷雉さんから新しい詩人8『ふたつの祝婚歌のあいだに書いた
二十四の詩』という詩集をもらいました。
現代詩手帖の詩誌評をしている久谷さんは、もーあしび13号の北爪さんの
猿の詩よかった。でも若い人のほうを詩誌評ではのせようと思って・・。
と教えてくれました。そうかよかたのか、と嬉しかったです。

それから、あおばさん。みつとみさん。ありがとうございました。
あおばさんもみつとみさんもブースを出しているので、あまり言葉
も交わせなかったけれど、いつもポエケットの仲間です。



これは、新しい地下鉄副都心線のホームの椅子。ちょっと素敵です。




[北爪満喜「詩と写真展」file.3]

7月10日
 きょう通路に搬入しました。

7月11から9月30まで、北爪満喜「詩と写真展」file.3
を展示します。通路という小さなスペースですが、ぜひお立ち
寄りください。銀座です。

朝9時から夜12時まで開いてます。
詳しい場所は、お手数ですがメールいただければ
お伝えします。   
(前回と同じところです)
[ぐったり猫たち] 7月8日  蒸し暑くて、みんなで小さな公園の隅でぐったりしていた猫たち。 模様がにてるから、みな兄弟姉妹なのだろう。地域猫と呼ばれてい る猫たち。ホント蒸し暑くて参るよね、猫のみんな。 今日は、雨模様のなか、エンジェルズ・トランペットが、やわらかな 明るさを灯しているそばを歩いた。 [フットスタンプ座談会の様子] 7月5日  フットスタンプの座談会に呼ばれて7月2日に渋谷のカフェミヤマ会議室 へゆきました。詩誌『フットスタンプ』15号に掲載した詩『SU I CA 移り映るから』 と『響き』の合評から入り、詩集『青い影 緑の光』への読みなどもふくみ、質問形式 で進められました。私はコメントが得意ではないので、私の詩と写真について、語る主体 について鋭い分析をしてくれた小島きみ子さんのエッセイ集『光の帯』を携帯し、デリケート な返事のときは、そこに引用された自分の言葉のところを開いて、目に入れながら話しました。 詩『SU I CA 移り映るから』と『響き』のイメージでプレゼントがあります、と田辺さん。 水色のソフトケースから出してくれたのは、きらきらした透明な水晶のカケラ。本当に透明で ガラスのようです。座談会では「言葉が硝子を通るとき ときどき文字が光って灯る」という 言葉と光に注目した感想や「砕かれて氷の光が飛び散るときの/あの音は/夢の中で凍って しまった木の葉が砕ける音に似ている」という言葉について語られていたのでした。 いただいたとき、言葉が透明な水晶になって実体化したような不思議な気持ちになりました。 キレイです。ありがとうございます。 座談会の始まりに遠藤さんが間に合わなかったため、最初に『3月の呼吸』のDVDを プロジェクター上映し、座談会の終わりにもう一度上映、という二回上映でした。 動画にしてはじめて人に見てもらったので緊張しました。白鳥さんはこれまで写真の スライドショウを3回見ていて、この動画は言葉や写真が増えているように感じたと 感想を持たれ、遠藤さんは、今回エフェクトを入れたクラゲのところをここだけでも 作品になる、と言ってくれました。 さて、二次会の席で、乾杯。しかし、ここでも録音機はまわり 続けていたのでした。なにか、ぺらりと変なことを言ってないか、私。 不安です。 今日、小島きみ子さんからメールがあって、フットスタンプの人が 詩集『((天使の羽はこぼれてくる))』と同時に出されたエッセイ集『光の帯』』 を購入してくれた! ということでした。カンニングに持っていって良かったです。 また小島きみ子さんがメールで 『青い影 緑の光』では「「語る主体・「発話者」について書いているので、  女性学者のM氏にもお送りしてあり、きょうお返事がきましたので読ん でいただけました。」と知らせてもらいました。 [『3月の呼吸』をDVD化した] 7月1日  写真は3月に咲いていたエリカの花です。 言葉と写真の映像詩『3月の呼吸』を動画に直しDVD化しました。 動画ソフトでは映像のラインやテロップのラインや音のライン などの層があって、それらを組み合わせて一つの映像になるのでした。 写真や言葉、一枚一枚について、指定をしてゆくことができ ズームやフェイドイン、フェイドアウトなどが入れられ、動き をつけられたり効果を付けることもできます。今回動画制作は 手伝ってもらいました。 英訳とサウンドはまだ入れてないのですが、動画のDVDを作れました。  きょうは白鳥信也さん池田俊治さん遠藤誠さん小島浩二さん田辺武さん たちの詩誌『フットスタンプ』16号のゲストとして座談会に呼ばれています。 私の詩についての座談会なので、座談会に入る前に新作の映像詩を見て下さる、 ということで急いで動画を制作したというわけです。    DVDレコーダーとプロジェクターと延長コードを担いで、出かけてきます。 自分がこうした機材を持って歩く人になるとは、ほんと思ってもいませんでした。