今月へ



[キッチン・朝]


10月31日
ミクシイのつぶやき
#朝はまっぷたつ。ネガティブで苛々と暗い気持ちと、予定をどうクリアしようかという
前向きなものと。思わず無心に鍋を磨く。

#そんな朝、どうしたの、いったいどうしたの。料理せず、の夫がプリンを作った!!!!


 ようやくやる気を出して、通路の詩と写真ファイル7です。
 通路の新作を作っていて、写真はぎりぎりでプリントできたのだけれど
でも、詩をプリントしようとしたらグレーのインクが一つ切れて印刷できない。
急遽、渋谷のビックカメラへ買い出しにゆく。必要なインクが近くに売ってないのです。


最近のツイッターのつぶやき
# 田中さん。プアプア詩から時間が流れても、文脈でなく、言葉が活気をもってつぎつぎ
新しい行が生まれる詩は、鈴木志郎康さんの詩に一貫していて、80年代詩の田中さんや
川口さんや私も、言葉の活気を大切にする詩法は続いて受け継がれていると思いました。

 
#今朝手帖の田中庸介さんの60年代のエッセイを読みました。水鳥の羽ばたきになぞらえた
動的な途上という視点や、「行がえのたびにあらたな情報量が付加される」詩というところ
が改めて、再認識させられました。

 
#54年ぶりに復刻された谷川俊太郎写真詩集『絵本』澪標社刊を渋谷の丸善で購入。山田兼士
さんに教えていただいた。山田さんありがとうございました。手の表情と詩の構成が新鮮。
作りこんだ手の表情のだろう。写真はモノクロだ。どこか身体の情念が細江英公の写真を彷彿。 




[蒲田派 朗読会レポート]

10月27日
蒲田派朗読会のこの日、ちょっと寒くてコートを着てマフラーで喉を保護。
蒲田駅から2分の橋本ギャラリー。近かったので助かった。
私は動画版『3月の呼吸』15分を上映して朗読のため、DVDプレイヤーと
プロジェクターと延長コードやガムテープを持ってゆくため荷物がどっさり。
重い。それに新詩集6冊を持参。(詩集は4冊販売できたので帰りはちょっと楽)

今回は大田区のケーブルテレビが取材に入りました。


トップは前回、魏志倭人伝を現代語に訳して読んで、たいへん盛り上げた長沢和彦さん。
今回も携帯辞書を引き、その引用のみで、ぐだぐだな日常を構成し大爆笑をとる。



若い女性陣もつぎつぎ朗読。森岡美喜さんの、カレーせんガレー船、おしばいのようで楽しく迫力。
五十嵐さんは、場面や情緒がしなやかにつたわってくるいたいけな朗読がすがすがしい。
ブリングルさんは、ありえない展開の詩で異世界をせつせつとつっぱしり、聞かせました。
泥Cさん。抵抗感を込めた一語づつを、唇に力をためながら読むパフォーマンスがみごと。技あり。

私と川口さんはゲストでした。
私の『3月の呼吸』は白い壁に映しました。数枚の写真の間に入ってくる詩の言葉を、
画面を見ながら、画面の隣で朗読。間がとても良かった、映像から音楽が聞こえてきた
と好評でほっとする。詩に空間があるという言葉もいただいた。



川口晴美さんは、ムチを振って!命令形のはっている詩を朗読。また詩を一行の長いテープ状に
プリントしたものを引き伸ばしながら会場を移動して朗読。客席がにわかにざわざわして活性化。
なんだかみなさん楽しそう。ムチの緊張感とは対照的な配置で素敵なパフォーマンス。


主催者の白鳥信也さんは、疾走する蒲田2010年版で、地元ネタ満載でおおいに受ける。
蒲田に電車が止まらない、から蒲田は失踪してしまったのか、蒲田から探さないで欲しいと
携帯にメールがくる! おかしくて切なくて、現実も虚構もいっしょくたに蒲田に染まる。
小島浩二さんは、少年の頃の父との思い出。父が突然、車に息子を乗せて羽田空港へ
走った、その真意はなんだったのか・・。懐メロ音楽つきで、昭和の匂いもよかった。
田辺武さんは好きだったある女性の名前を何回も何回も読み上げる、おそろしく素直な
思いを、なんのてらいもなく読み切るすごさに、客席はみなどぎもを抜かれる。
高橋正弘さんは、PCを手に持って、操作しなから朗読。新手の朗読か。と思ったら
プリントを忘れてきたのだそうです。これはこれで面白かった。


というように今回も盛り上がりました。
お客様はほとんど一般の方。そうした朗読会は、ほんとうに珍しく貴重に思います。










10月22日
最近 ツイッターでつぶやいたこと

●一週間前、通路の詩と写真展を見に行ってくれたHさん。電話で、うろこ雲のがよかったと、
感想をくださった。夫から聞いて、新作やらぬば! と気合いが入りました。
 
●銀座のビル通路の詩と写真展、新作、作成中。7回目になります。常設(ありがたいです)なので
出来上がったら掛け替えます。 

 
●つぎの詩誌「もーあしび」の詩と写真「納屋の音」を白鳥さんにおくったら、納屋、という言葉は
この都市ではほとんど聴かれなくなっている・・と返事が来た。私も詩で納屋をつかったのは「虹で濁った水」
以来・・10年以上前!でした。 


[見えてくるもの]

10月20日
 数日前の空は雲が澄んでいてもくもくとわき上がっていた。
詩集の感想を寄せてくれる友達や詩人の方に心から感謝している。
今日届いたお手紙で、「全体的に私にとって、未来が見えてくるようだなと改めて思いました」
という感想をいただき、ああ、詩集を出した甲斐があったなと、ほっとするような気持ちになる。

 廃屋を取り壊す来年の一月まで、画廊として蘇生させた桃園画廊で小林のりおさんの武蔵美の
ゼミの人達の展示「ライトシアン」があった。中野駅から徒歩2分のところで、とても行きやすい。
壁を壊して画廊にする様子をネットの動画で見ていたので、すっかり黒く塗られた床や壁のその
場が、とても親しく感じられた。写真の展示で面白かったのはお風呂場。浴槽が白く濁った水に
なっていて、そこにプロジェクターで映像が投影されていた。雲や花の咲いた木や風景など、
水に映る色彩と光によるイメージは、斬新なのにとても懐かしい。池の水面に映る像よりも
深みがあり、うきあがる記憶の像のようでもあった。また、鏡のカケラが風景を映している
写真も多層的な映像だったりトリックのようだったりして視線がとどまった。


つぎの桃園画廊

小林のりお個展「ROLLING JP BLUE」
時 : 2010年11月2日〜7日
会場 : Count Down Gallery 桃園画廊
東京都中野区中野 3-40-25
時間: 12時〜18時 



[蒲田派朗読会お知らせ]

ギャラリー地図

10月12日
 きょうも半袖で過ごせる気温。それでも10月。5時半にはだんだん暗くなってきて
昼の時間はちゃんと短くなっている。
 27日、よろしければ蒲田へ。駅からとても近いです。

きょうは「もーあしび」の詩と写真の原稿を仕上げて白鳥さんに送った。
今回はやっと締め切りに間に合った。集中力を高めなければ。




[赤城山・大沼 2010/10/08]

漣だつ湖面に すいこまれてゆく音
10月 

熊笹が 湖へ吹き降りる風に 葉擦れの音を微かに鳴らす
風に揺れる葉のたてるかすかな音のほかは なにも聞こえない

なだらかに水は土に含まれ 湖のすそは揺らめいて 境界もない

木々がその形で話かけてくる 幹や枝のさしのべる言葉を どのように聴けるだろう
咲き終わった花が枯れてゆく茎でいま咲きはじめる花もあって
風や霧や雨や陽差しを受けている 


隣にさしのべあう木々の枝にみとれ
幼い頃つないだ手がもうひとつも 残されていない と思いだされる
ごつごつした厚い手 胸に抱えてくれた暖かい手 怪我をして引き攣っていた痩せた老いた手
その手に 応えるように 人気のない道で 湖を巡る足首に 確かさをそそぎこむ
冷える指を 上着のポケットで暖めながら