今月へ

[お知らせ/海/シロ]

9月30日
 先週の土曜日に発売になった図書新聞(10月2日付)に書評が載りました。
多和田葉子さんの小説『尼僧とキューピッドの弓』。とてもおもしろい本でした。

 現代詩手帖十月号に、6月から7月にかけてアサヒ・アートスクエアで開催された詩の朗読と
ダンスのコラボレーション「プネウマとともに」のレポートを書きました。
またこの号の詩集評で、渡辺玄英さんが私の詩集を取り上げてくださいました。
主に「月の瞳」をあげられ、「保護区」「飛手」「青の必要」「息 いきもの」について触れ
「作者の生きにくさが現在のわたしたちの生きにくさに重なってくるところがいい。」との
結び。本屋さんでみかけたら、お手にとっていただければ幸いです。

9月3日のクロコダイル朗読会、よかったらぜひ渋谷へお出かけください。
また自前のプロジェクターを持って行きます。月写真のスライドショー+月の詩の朗読をします。
文月悠美さん、岸田将幸さんの朗読やトークもあります。




[昼の月]

9月23日
数日前の昼の月。
雲は自在に川のように流れたりくるくる渦巻いたり、うすくベールを波打たせたり。
月はしずかに運行しながら、地球の生きものにサインを送っている。

詩の小径の女子トークでは、鳥居万由美さんが「夜の畳」を読んでくれました。
オトウサンに話しかけるところが私よりもずっと話しかけてる感じで
鳥居さんの詩からは意外だけれど人情味があったのでした。鳥居さんは
オトウサンだと可笑しい感じがするけど、おかあさんだと無理だと言って
いて、タシカニ、と思いました。清水さんがカタカナなのもおかしみに
関係しているといようなことをつぶやかれていた。
・・・新井さんがこの詩を選んだのは、母親のことを書く人はたくさん
いるけれど父親はほとんど書かれないから、という理由をおっしゃって
私はとても驚きました。
杉本さんは、「息 いきもの」を選んでくれました。杉本さんが
この詩集はいたるところで開こうとしている、とさまざまな詩の
部分をあげながら語ってくれたのが印象的でした。

私もみなさんの詩について感想を言ったのですが、後ろにも横にも前にも
来場者がいて、360度見られてしまう席だったので緊張しました。
ご来場くださった皆様、ありがとうございました。


松下育男さんがいらして、松下さんがギャラリーの犬を抱いている
写真を撮ったのですが、うまく映っていないので載せるの、見合わせました。
松下さんには、松下さんがもう死んだという噂が流れているから
生きているところをブログで伝えて、とたのまれたのです。
言葉で伝えます。松下さんはお元気です。



[樹木から掘り起こされて/築地にて]

9月17日
 樹木から掘り起こされて、陽のなかで渇き、雨に濡れ、その形が
また樹木と同じ土へ、あるいは灰へ変わるまで、たくさんの人の
なかを通ってゆく。人に似たものを抱え、木目を揺らし、水の波紋
のように、人の水路を流れてゆく。

19日の詩の小径。一部では三角さん、清水さん、鳥居さん、が朗読します。
二部では目黒さんが朗読します。どうぞ聞きにいらしてください。

一部では新井さん、杉本さん、私が5人の詩集からそれぞれ一篇を選んで
質問したり話したりします。聞き手は藤井一乃さんです。


[19日]
1部「詩の女子トーク――詩をとどける、詩をひろめる」
 出演=新井豊美、北爪満喜、杉本真維子、三角みづ紀、清水あすか 鳥居万由美
2部「辻征夫の肖像」
 出演=井川博年、辻憲、久谷雉、目黒祐佳子


[4wheelsで詩誌評]




9月14日
上は島崎藤村の童話集「幼きものに 海のみやげ」の表紙。挿絵は夢野久作。
挿絵がおもしろいので撮る。(馬籠の藤村記念館にて)
島崎藤村は大正2から5年、フランスに滞在。それは妻、冬子の死後、手伝いに来ていた姪(!!)こま子を
妊娠させてしまい、逃げるようにフランスへ行き、そこでの出来事などを「父さん」(!!)が語るという
本だそうである。


4wheelsで詩誌評を書きました。
よろしければご覧ください。これらの詩誌に触れさせていただきました。
『Aa』一号、八柳梨花、望月遊馬、タケイリエ、高塚健太郎によって創刊。
『水字貝』(すいじがい)二号、浦歌無子の個人誌。
『空の広場』(カラノヒロバ)二号、清水あすかの個人誌。
『食品詩倶楽部』、りっと編集のアンソロジー詩誌。
『一個』3号、井坂洋子、佐々木安美、高橋千尋。
『もーあしび』22号、白鳥信也発行の総合誌。
『ミて』111号、新井高子の個人誌。
『リラクシン』35号、新井隆人の個人誌。




[ネットでの書評/マン・レイ展と陰影礼賛展]

9月11日
谷内修三さんがブログで詩集の書評を書いてくださっていました。
ありがとうございます。

国立新美術館でマン・レイ展と陰影礼賛展。

マン・レイ展ではドロテア・タニングのポートレイが見られた。
ドロテア・タニングはその少し不安そうな横顔から純粋で常識のある人格を
感じさせる。こんな顔の人だったのだ、と信頼感がます。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の廊下で生きものようにくねる向日葵の
シュールレアリスティックな絵画が内面から発想されたものだと思える。
ピカソやヘミングウェイやキキやグレコの多くのポートレイト。
マン・レイはプロの写真家だったのだ。

陰影礼賛展では恩地孝四朗の写真「にじます」よかった。
小林孝亘の絵画「House Dog」にも会えた。こんなに巨大な画布だったと知る。
硬い素材の体の犬にみえるのに、生きている。骨をくわえてこちらを見ている。
目が虚無のように暗く、それでも愛らしいから、自由のない飼い犬の闇がせまってくる。

また、デュシャンの帽子掛が壁に蛸のような影をのばしているのを見た次のコーナーで
高松次郎の街角の人々のシルエットがある大きな壁をみたときは本当に影らしくて疑えなかった。
「影」という絵画なのに。壁面に近づいてしげしげと眺めました。     



[詩集について]


9月10日
鈴木志郎康さんがブログに私の詩集の感想を書いてくださいました。
ブログでは志郎康さんは明日9月11日から入院なさる。
前日の大変忙しいにとき、お体が負担なときに、ブログに載せていただき、頭が下がります。
背筋を正して拝読しました。これからの課題もご指導いただき心から感謝しております。

ご感想のなかで、
朗読を意識しているのでしょうか、と問いがありますのでお答えします。
詩と向かい合うときに朗読はまったく意識してませんでした。
このように言葉がうまれ出てきました。 


[図書新聞に書評を書きました]
9月8日
きょうは一ヶ月ぶりの久々の雨。ほっとします。

図書新聞に書評を書きました。多和田葉子さんの小説『尼僧とキューピッドの弓』。
掲載は今月中旬の予定です。
 日本人女性の物書きの「わたし」が、ドイツのある尼僧修道院へ滞在依頼。尼僧院長から
承諾の返事をもらい、訪れる。しかし、尼僧院長の姿がない。噂では弓道の先生
と駆け落ちしたらしい。・・価値観が覆ります。言葉自体のおもしろさや、幻想的な描写
など読み応えがあり、楽しめます。




[3日でビルが現れた!]

9月7日
 三日前の4日、窓から朝の白い雲をみたときにはこんな高いビルはなかった。
たった3日で、こんな高いビルができたのだろか。そんなことできるはずない。信じられない。
私は異空間にいるのか、と目眩におそわれた。パニックになって夫を呼んで、窓にこさせて、
低い声で、急に高いビルができてるよー、と怖々と伝えた。すると夫はしらっとして前から
あったよ、と言う。まだ私が信じられない顔をしていると、今は光のあたり方で近くに見える
んだよ、夕暮れでシルエットになっていると大きさか分からなくなって小さく見えると、説明
してくれた。タシカニ。シルエットだと下の4日の写真をみても分かるけど、黒に溶けてビルがわからない。
 それにしても。人の目はなんて不確かなものなのだと、つくづく実感。毎日見ている窓の外なのに
この大きなビルが目に映っていなかったとは、どういうことだろう。意識しないものは見えない、
という証しのようだ

[シロとミケ・路面の薔薇]

左が母猫のミケ。流しに嵌っているのがミケの仔のシロ。シロ・・そこはまずいんじゃないかな。
水が落ちてくるよ。


ゴミを出す角だから、捨ててあるのだと思う。このベニア板の薔薇は
手書きだろう。色を塗った刷毛の跡もある。キレイ。


[朝の白い雲と二つの夕焼け]



9月4日
 ただ白い雲が朝にあっていうだけで、胸がいっぱいになるのはなぜだろう。
同じ窓から夕焼けの空をみてぜんぜん別のところへ出たような気持ちがする。
道を歩いていてもやっぱり夕焼けは特別でどこか体が浮きあがる。



[蝶/上毛新聞9月4日土曜日]

9月1日
 きょうから9月。でも暑い。麦茶とスポーツドリンクを交互に飲んで
熱中症対策をしています。
 家の近くの道を歩いていたら、蝶のプリントされた背中がすっすっと
歩いて私を抜いていった。背中に羽根がある。背中を蝶が押している。

 9月4日土曜日の群馬県の新聞、上毛新聞に『飛手の空、透ける街』について
インタビューされた記事が掲載されます。群馬県の方、いらしたら、
ご覧ください。
 

 「詩の女子トーク」の準備で、清水あすかさんと、鳥居万由美さんの詩集
を読んでます。二人にはお目にかかったことがない。清水あすかさんは
八丈島に住んでいらっしゃるらしい。
 これから新井豊美さん、杉本真維子さん、三角みづ紀さんの詩集も読まねば。