今月へ [風にめくれるビニールと夜] ....... ....... ....... 12月22日 動いているものをみてしまう。 風にゆれる枝がみたい。 水の揺れる川面。そのさざ波に反射する光をうかばせる。 目の奥で、水が輝いている。 [白光] 12月20日 朝の太陽の輝きの 白い霧 発光する水 蒸散する光 とけて 夢のなかから出てきそうになる 爪で ひっかいた跡 を読む とぎれとぎれに 言葉をつなぐ通り道に 倒れていたから 抱えている 夢のなかの道で 抱きかかえた少女の だらんと垂れる腕 腕が ゆれる ゆれてる 風に鳴る 電線の かすれた音楽にあわせて [コンデジで撮れた! 12月1日のオリオン座 /詩「なからず」] ....... 12月3日 12月1日の夜、家へ変える途中に道路から夜空を見上げると、なんだか星がいつもよりたくさん見えました。 なんとなく見ていたら、三つ星がみえるではないですか。あっ、と思ってよくよく見ると、オリオン座が輝いて いる。思わずコンパクトデジタルカメラをバッグから出して、撮れなくてもいい、でももしかしたら、と思って ボタンを押しました。そうしたら、撮れたのです。オリオン座が。初めてのことなので大感激してます。 いぜんオリオン座と私のことを書いた詩「それから」をここに貼ります。詩集『飛手の空、透ける街』に載ってます。 「かならず」 夜の空は 名前もわからないし見分けもつかない星座や星星でいっぱいだったけれど 私は あれがわかればよかった オリオン座 ひとりで夜 庭へ抜けだし 冬の張り詰めた夜気のなかで 冷えてゆく ひろびろと 冷えてゆくのは透明になることだから つったった足から胸の奥まで がたがたと震えだすまで 氷になて 透明になって 氷の鏡になって 夜を覆う星星を映す 三つ星を見いださなくは それからオリオン座の線を目で結んで たしかめなくては 降ってきそうな夜の空と 浮きあがりそうな夜の地上で オリオン座と私で ぴたっ と一瞬 どこにも不安がないような 瞬間を 固く 鳴らさなくては