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[道路沿いの花とミケ/tweet連詩 完全版 マイボーイ]







6月30日
家から歩いて行ける花屋さんの花、あくびの後のミケちゃん、
日差しに透けるプチ公園のアメリカフヨウHibiscus moscheutos。
のどかにみえるけど、29日は反原発の数万人規模のデモがあった。
私の知り合いも何人もデモに参加したとツイートしていた。
フェイスブックやツイッターなどのネットのコミュニケーションが
世の中を動かしはじめている。

 ツイッターでの連詩はしばめての経験だけど、時間差なく詩が作られ発表され読まれている
感覚がいい。これまでと違った詩の作用が参加者や見た人に起こっているかもしれない。
私は伴走する楽しさや、入ってくるその人の発語の感覚など、合評会にあるようなものを感じ
ています。

 連詩二週目が「マイボーイ」が完結しました。
 三人のツイートは離れたり引き継いだり、変化して続きます。
 「おまけ」も楽しんでください。

●【マイボーイ 完全版】北爪満喜・小島きみ子・宮尾節子 tweet連詩 pw3u 




[ツイッター連詩「マイボーイ」のいま/写真展 "Out Project"]

6月22日

○今朝ツイートしました。ツイッター連詩「マイボーイ」

嵐の後流れついた小枝を拾う。黙っていた横顔を描くと、目が窪んでいる。
目の端から、たくさんの雫が落ちる。たくさんの小さなメモのように。
落ちていい。千切れたり、めくれたり、はがれたり、飛び散ったり、
崩れてゆくと、ふと息を吹き返す。この庭。泥。体は草の芽を開く。
(マイボーイ6)#pw3u



武蔵野美術大学へ写真展 "Out Project" 見に行きました。野外で雨や風や日差しに
さらされる展示をするということだったけど、嵐まで来たから枝は落ちているし
葉や土が写真にのっているし、破壊されている展示もあって、すごいことになって
いました。会場の庭につくとちょうど小雨。ぜっこうの? タイミング。
以下はみながらこころの中でわきあがった声です。昨日ツイートしました。


 小雨が降っていて、野外展示の写真に水滴がついている。って、
この写真、美術館の壁で見た作品じゃないですか!!!!

 い、池に写真が浮かんで漂っている。雨の輪が響き、たのしそうに鯉がたくさん写真の下を泳いでいる。。

 どこが土の地面でどこから土の写真なのか、もうわからない。台風で落ち葉がのっていて、普通の蟻がはっていて。
これはインスタレーションじゃない。いったい何なのだ。混乱。物質としての写真の扱われ方、とか生の時間と写真
について何かある。

 宝石のように美しいクジャクが飼われている庭の枝に、ロープが張られ洗濯物のように鳥の顔写真がとめられている。
でも写真は洗濯物じゃないから嵐で千切れてるよー。穴あいてるよー。クジャクが鳴いた。












[ツイッター連詩・二週目(マイボーイ)]



6月19日
きようは台風で雨や風がつよいです。アジサイが台風に負けませんように。

ツイッター連詩はぜんぶで三週するのですが、いま二週目になっています。
マイボーイ(アドリブ)が、未知の腐女子二名の目にとまって「お気に入り」登録
されていてとてもうれしいです。

○担当しているマイボーイ

夢を見続けること。氷のなかに閉じこめられている悪に似たもの。完成しない。
出られない。皮膚の下には千年が響きあって。いても。皮膚の下が真っ黒な水面
のように何も映さない。ならば。本当だと思って閉じていた瞼を開け。目は傷口。
目から光の刃に切り開かれる。熱。(アドリブ)#pw3u


 眠っていた夜。埋もれた落ち葉の隙間から見えた空に鳥が飛んでいた。
白い鳥の翼は赤い焔の色で闇の中を赤く飛んでいた。燃え尽きながら。
落ち葉を振り払うと思い出した。詩を書いた紙束(ただ一つの)に火を
つけて燃やし、凍える恋人を暖めようとしたお話を読んだのだ(マイボーイ3)#pw3u




☆【マイガール 完全版】北爪満喜・小島きみ子・宮尾節子 tweet連詩 
 

○担当したマイガール

もうすぐ 消える雲から やってくる 消えるアルパカ 消えるウサギ 
消えるキリン 消えるゾウ 輪郭をむすぶことばの どこからか呼吸は
それらを形づくる 空にみつける もうなくなっている一瞬 
ひとすじ 雲が切れて 光が差すように少女の手がみえた (マイガール3)

歩道。建設中のビル上に留まるクレーンの一本足のツル。何か作っている孤独なツル。
歩いていると産毛にふれ、さっき見た絵の松の下から巨大なゾウが抜け出すと、
やってきて鼻を高く伸ばした。私の隣でツルに合図。やあ。輪郭のゾウの息がかって、
鉄骨の羽根が空で光って(マイガール6)

虹が今朝着たブラウスのボタンに来ている。MISSING PERSONの顔写真が貼られている通路があった。
すし詰めの車両から降りて、人に押し流されても、見つけ続ける拾うと背中で白い羽根になる今日の
本、CD、草や花、映画、彼女たちの声、刻まれ続ける一瞬、ここで(マイガール9)

[千切れながら咲く・はい出して咲く]





6月12日

いつもの道を歩いていると、手入れをされた住宅や商店の花々だけでなく、野生で咲いて
いる花たちがいる。千切れながら咲くヒルガオ・はい出して咲くドクダミ。どこから顔をあげようと
季節は咲くものにとっては絶好なのだろう

ツイッター連詩  140字以内はなかなかスリルがあります。
「歩道。建設中のビル上に留まるクレーンの一本足のツル。何か作っている孤独なツル。
歩いていると産毛にふれ、さっき見た絵の松の下から巨大なゾウが抜け出すと、
やってきて鼻を高く伸ばした。私の隣でツルに合図。やあ。輪郭のゾウの息がかって、
鉄骨の羽根が空で光って(マイガール6)#pw3t




[三つの焔。ツイッター連詩はじまりました]



6月9日
7日から、ツイッター連詩「ポエティク・ワンダー・スリー」はじまりました。
ツイッターではおしりに#pw3tがつきます。見てください! 
宮尾節子さん→小島きみ子さん→北爪満喜。
一週目は宮尾さん発でお題は(マイガール)です。それでは三週走ります。

「もうすぐ 消える雲から やってくる 消えるアルパカ 消えるウサギ 
消えるキリン 消えるゾウ 
輪郭をむすぶことばの どこからか呼吸はそれらを形づくる
空にみつける もうなくなっている一瞬 
ひとすじ 雲が切れて 光が差すように少女の手がみえた (マイガール3)」


始まったばかりの連詩ですが、宮尾さん、小島さんの次に同じお題で
言葉を書くと、書いた言葉の内容だけでなく、こんな短いのに、
言葉の姿がそれぞれ違うことに意識がゆく。・・・自分の言葉はこんな風
だったんだ、と早くも、ふうーん、と思わせられる。



[ビルのアジサイ/水嶋きょうこさんから詩と写真展の感想をいただきました]

6月7日
光がくるとガラスにもアジサイの花が明るく映る。遠くの給水タンクの青い丸がアジサイのアーチと
呼び合っている。白と水色のアーチにはどちらもたっぷり水が入っている。

4月11日から二週間、中庭ノ空で開いた詩と写真展『水はわすれている  そしておぼえている』
の感想を水嶋きょうこさんがブログに書いてくださった。ありがとうございます。

許可をいただいてこちらに貼りました。
詩と写真展には、水嶋さんのお嬢さんもいらして、会場のノートに感想を
書いてくださった。「平衡感覚がなくなるような不思議な空間でした」と。これを言葉で書いてくれたのは
お嬢さんただ一人でした。


○水嶋きょうこさんのブログより
水はわすれている そしておぼえている ― 2012/04/24

詩人北爪満喜さんの作品展「水はわすれている そしておぼえている」(中庭ノ空)に行ってきました。

 壁面に飾られた写真。水に満ちた世界です。写真の下には北爪さんの詩編から抜き取られた水に関する
言葉が飾られ、その言葉と映像が水紋のように響き合います。

 水面いっぱいの蓮の花。伸びる木の根。池を泳ぐ鯉。水面に映る青空。水鳥の白い柔らかな羽・・・。

 水を直接写していなくても、そこには水の気配があります。静かな風景です。でもたどっていくと生命の
源に通じるような力強いエネルギーを感じます。前を向く水。生命をつなぐ、命を手渡す水。大震災後、
忘れられた水の光の部分が繊細に写し取られていると思いました。水に対し今を渇望する詩人の深い思いが
このような色鮮やかな光に満ちた世界を作り出すのでしょう。

 和紙にプリントされた写真も入り口のガラスに飾られていました。和紙の繊維と被写体が不思議に混ざり合い、
体内の染色体の上に、風景が写し出されたような・・。身体の内部と外部が混ざり合う不思議な空間が生まれて
いると思いました。


詩と写真展『水はわすれている  そしておぼえている』展示風景



[近所の花々]





6月6日

いつも通る道に、さまざまな花が咲き出している。アリストロメリア、アジサイ、色のアレンジが
かわいいこの花は何だっけ。他にもアメリカフヨウやマツリカや、バラやパンジー、垣根の
根本にはドクダミの白い花やツツジも咲いている。そしてごくわずかにモンシロ蝶が花の
間をひらひらする。そうして、そのまま視線をずらすと、路面にはプラスチックバッグが車に
轢かれれたり、風で舞いあげられたりしている。


○お知らせ
共同通信コラム「詩はいま」に川上亜紀詩集『三月兎の耳をつけてほんとの話を書くわたし』(思潮社)、
澤村修治著『宮澤賢治のことば』(理論社)について書きました。 
地域の新聞に配信されましたらよろしくお願いします。




[地に映りズレて]


6月3日
・「入る旅人 出る旅人」の展示へ。駅から近い! 神田の部屋「マイナー部屋へ」では作家の秋山幸さんや
企画の水田紗弥子さんのお話も聞けてイメージを持つことができました。何かができつつある動いていく(ズレていく)
部屋。その可能性。美術館の場のように終わっていない空間の呼吸。その場に入った私も呼吸されたように思う。

・佐藤弓生さんの「薄い街」展では、佐藤さんが「あなたの一首、調合します」イベントをしていて、
私のために短歌を調合してくださった。思い浮かんだ言葉を佐藤さんが受け取って、返してくれた短歌は、
図らずも私にとって啓示のような言葉だった。
 
晴天を爪ひからする ものもののくだりては 地に溶けてゆきたり   (佐藤弓生)


地下鉄のなかで、何度もいただいた短歌のカードを読んでは、これがほんとの言葉を介してのコミュニケーション
だと、体が温かくなった。


[川へ舞い降りた白鷺]



6月1日

 翼をたたむ直前、羽根が風をかかえる。

きょうは震度3の地震があった。ちょっと怖い。

あたらしくNeroというソフトでCDを焼いた。手順をノートにメモる。
ドライブをパナソニックとパイオニア二つから選ぶのだけど、なぜか仮想ドライブが
表示されてくるので、オンになっているドライブが一つだとしても、選択を気をつけて
みないといけない。