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2013年5月分

[赤い叫び]



5月29日

キッチンホラー 「赤い叫び」

はっとしてしまったら、もう引きずり込まれている。
私たちはみつめてはいけないのだ。

(パプリカはこの後切り刻んで油で焼きました。)


[何か?]

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5月28日

すやすや眠る、というように寝ているようすを言うけれど、シロちゃんとクロちゃんは、
クゥークゥーと寝息のような鳴き声のような声をたてて眠ったり、うにゃうにゃにゃ、と寝言を
言ったりしている。 また私が床の掃除を始めると、毛をなめて体をきれいにし始めたりして、
私が何をしているか良くわかって、どうも空気を読んでいる。



[薔薇園の午後]

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5月25日

敷島公園の薔薇園へゆきました。
満開の薔薇の香りと光。甘くてはなやぐ薔薇の香りにうっとり。
うつしい音楽がしずかにながれ、薔薇のなかを漂い歩くと
見知っていて、見知らぬところになっていた。

掃除機かけたり床を拭いたり、お墓にお花を供えたり、二日間、暑い前橋でした。

薔薇園は母が一人で来た頃とはずいぶん変わっているのだろう。
けれどきっと薔薇のはなやぎと香りのなごみは、変わっていない。




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薔薇園の敷地にある養蚕博物館では絹織物をするときの道具のシャトルが展示されていた。
絹を織っていた祖母のことが懐かしく思いだされ、いろいろな道具を見ながら長い時間みてまわる。
前橋の養蚕の歴史年表が横浜開港から始まっていたのが驚きでした。

蚕の顔をよくみると昔の新幹線みたいな形だったことも思い出して可笑しくなった。



[ほつれないように春]

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5月12日

透明な雨の白いつぶ  白いバラ色の薔薇の花
私は傘をさして雨の白く線で降る水を避ける
無言で言葉を育てる 
花を育てる葉がざわめきしか発しないように 
私のなかでざわめく暗がりが 葉擦れの音を立てている 


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眠らずに迎えた朝
いつものことなのに 太陽が光をまして闇を去らせるのに驚く
夜とか朝とか 言ってしまうのは 地上の生き物の本能が望む渇望なのだろう
信じるための  闇が去ると 信じているための 


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明ければ 道を歩く人の足音が響く
自転車の車輪がシャシャシャー
速度と リズムだ
響きに悪夢の氷はくだかれ 一旦くだかれると溶けやすくなる
耳から 夜があけ 朝になる



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[ざらり]

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5月8日
ただただやわらかいフルーツではない。
こまかな繊毛をのばしてイチゴは何かに触れている。
汚れと呼んでいても、
細かな埃を積もらせて、コーティングされた車のボディは時間を乗せている。


●お知らせ

共同通信のコラム「詩はいま」に、大家正志詩集『翻訳』ふたば工房、   
淵上熊太郎詩集『清潔で、満腹で、悲しくて、』花梨社、八柳李花詩集『あかるい遺書』七月堂、
について書きました。地域の新聞に配信されましたらよろしくお願いします。 


●お知らせ

youtubeに詩と写真展「記憶の 窓は水色の枠」のオープニングイベントをアップロードしました。
ゲストは順次アップロードしてゆきます。

詩朗読ライブ 北爪満喜 2013年3月「詩と写真展」にて(1/3)