リストラするのはいい会社?――膝蹴りくらえ、自動改札
JR・各私鉄・地下鉄の自動改札は、本当に腹が立つ。
特に毎朝、1分1秒を争う時に、自分の直前の人がひっかかると、本当にむかつく。
――その乗車券では、ご利用になれません。
こんな音声が聞こえると、思わず舌打ちして、「タコが…」というつぶやきが出てしまう。普通わかんねぇかなー、区間外だっての。まさかかつての有人改札のように、ごまかしがきくとでもおもってんじゃねえだろうな…。
しかし、いつも腹を立てる側とは限らない。よくやるのは「IOカード」と「メトロカード」で入って、出るときに定期券を入れてしまうことである。区間外となって、例のアナウンス――。慌ててカードを入れ直すが、ばつの悪いこと…。ホント、トホホな感じである。もっとも、定期券の区間内だと、その場は出られるが、後日、IO(メトロ)カードが改札を通れなくなるという事態が待っている。
もう一つのケースが、「磁気異常券」である。私は1度だけこの被害にあったが、これはむかつく。こっちはなんにも悪くないのに、後ろから非難の視線である。こういう時は、思い切り大声で怒るに限る。
「んだよー!ちゃんといれてんじゃねえか!」
そして憤然として有人改札に向かい、食ってかかる。しかし、駅員も落ち着いたもので、なにやら特殊な機械に券を通して、
「これで大丈夫ですよ」
と涼しい顔だ。こちらは口パク状態である。
ほかにたまにあるのが、「券を入れてからお通りください」である。私は、どうも券を狙いより少し上に入れてしまうことが多い。当然そこには券を入れる隙間がないから、ひっかかってしまう。その時に足がとまらず、1歩でも機械のチェック圏に入ってしまうと、上記のメッセージとなる。1歩下がっていれ直すわけだが、再び改札が開くまでがまた長い。1度むかついて、「俺は何も悪くない!」とばかりに、改札機の扉に膝蹴りを食らわして強行突破したことがある。
強行突破といえば、ほかにもう1回だけある。車両故障か何かで、地下鉄がえらく混雑し、降車後、ホームから地上に出るまでやたら時間がかかったことがあった。こういう時は少しでも混乱を避けるために自動改札はフリーにするのが常道である。しかし、愚かな駅側は、まったく普通に自動改札を作動させつづけたのである。案の定、私の前でトラブル――。この時ばかりは、堂々と扉を蹴った。人の流が止まると将棋倒しなどのおそれがあり危ないのである。
人員削減・合理化は、利用者の利便性という面では、なんらプラスをもたらさない。たしかに利用料金は下がるかも知れないが、サービスは間違いなく低下する。サービスには手がかかるのだから、当然のことである。世の中、リストラ実施が「よい企業」の条件かのように言われているが、人員削減・店舗撤退など、利用者の利便性とはまっこうから対立することが忘れられがちである。
自動改札にしても、(あくまで鉄道会社にとって)便利な面もあるのだろうが、その紋切り型の運用のため、失われたものも大きいのではないか。
子供のころはもの珍しさもあって興味を持ったが、私はどうも、自動改札が好きになれない。
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