メモリーズへ

2013年3月分 [オープニングイベントについて・ゲスト ヤリタミサコ、橘上] 3月31日
北爪満喜詩と写真展「記憶の 窓は水色の枠」
ミニギャラリー千代田で20日に行ったヤリタミサコさん橘上さんをゲストにした オープニングイベントについて。 ヤリタミサコさんは、はじめにフルクサスのアーティストの音声詩の音をCDをラジカセで流し
それに被せてヤリタさんの声も入れて行くパフォーマンス。また新国誠一の音声詩や、 ギンズバーグの音声詩も上演。リズムにあった動きも入り、パワフルな声が画廊に響く。 分解した言葉が声にのって散り響き、画廊が一瞬、異空間になった。また詩集以降の 最新の詩も音楽とともに朗読。そして自作のヴィジュアルポエトリー作品を持参してくれた。 展示するスペースを画廊に充分にとれなかったのが反省としてのこる。 橘上さんは長いテキストを用意して、風刺の効いたフレーズや笑いを起こさせるフレーズ でその場にいた人々を引きつける。バックに音楽を流しての朗読。詩の言葉は、今を切り取って 突きつけながらも、リズムにのった語りはグルーブがあって聴かせた。とにかく面白く 来てもらってよかったと思った。会場にはDJをやっている人も来ていたし、橘さんの前橋の ファンも来ていた。交流ができたならうれしい。
私は写真と言葉を合わせたDVD『3月の呼吸』をプロジェクターで白い壁の上に上映して 読んでいった。それから詩集『飛手の空、透ける街』から「保護区」「飛手」などを朗読。 最後に、画廊内を皆さんにも一緒に移動してもらって、展示した詩や言葉の前で読み上げた。 「この詩は読めないのです」と取材に来ていた上毛新聞の記者に話していた詩「記憶の 空は水色の枠」 の前に来て、迷ったけれど「読めないものを読むのがいいと思います」と言って朗読。 案の定、途中から声が消えていった。声なき声である部分を読みすすむ。するとまた声が戻ってきて 普通に朗読することができた。声が消え、ぎりぎりの朗読となった。そうなるとは予想していなかった。 でも、このハプニングを得られただけでも、やってよかったと自分では思う。 [記憶の共有] 3月24日 今回展示した詩「記憶の 窓は水色の枠」 の中で次の言葉について・・。  可愛くて草をあげていたうさぎ   金網の中で育っていった白いうさぎ  うさぎは ほんとは  食べるためだったんだね おばあちゃん 詩はもちろん事実のみを書くわけではないけれど 子供の頃の、この夜の食卓をたまたま一緒に囲んだ Aちゃんが、ギャラリーに来てくれた。 彼女は詩を読んで似た経験があるなーとぼんやり思っていた という。展示時間が終わったあと少し話すと、やっぱり そうだったんだー、とAちゃん。共感しながらうさぎのことを私もより はっきり思いだした。 書かれた言葉が、記憶という、もうない時空をひっぱり出して、 ひととき彼女と私の間にうさぎを出現させた。 Aちゃんのいない昼、ひとりでギャラリーにいて、 記憶は言葉で、形作るものだと改めて思い返す。
上記の詩の全文 「窓は水色の枠」 記憶の 窓は水色の枠 窓枠の中を 今日 大きなうさぎの耳が通り過ぎた 右から左へ 今日 小さな飛行機が 縫い針のように青空を刺していった 窓の内側では ころころころがったじゃがいも じゃがいもには 穴が開いている わたしの口の形に似た 拾って 曲がってもいいから針金の茎を 刺せば 人形になる じゃがいものように立って窓の外をみる みているのは ここにないもの 映って移ろう みえるけれどないもの 可愛くて草をあげていたうさぎ   金網の中で育っていった白いうさぎ うさぎは ほんとは 食べるためだったんだね おばあちゃん 口に入れられなかった 夕食にでたとき どこかが腐った  腐って溶けて 穴が開いた 窓枠の高く 小さな鳥の群れがみえる 空を縫う縫い針のような飛行機はみえない 鳥の群れなんて忘れていた なんて久しぶりだろう 群れになって飛ぶ鳥たちの列は硬くなく  空中で布がゆれるように移ろってゆく たわんで よれて 浮いて 飛ぶ じゃがいものように立って窓の外をみる じゃがいもには 腐って穴が開いている わたしの口の形に似た 腐って溶けて開いた穴から わたしから 出ろ 言葉  出ろ たわんで よれて 浮いて 飛べ
[お花や電報をいただきました] 3月21日 初日にこころのこもったたくさんの花籠や、カワイイキティちゃん電報やクマちゃんストラップを いただきました。とても華やかな会場になりました。ありがとうござます!! [前橋での展示がはじまりました] 3月20日 薄曇りの前橋。初日のきょうは暖かです。 三時半からはオープニングイベントもあります。 ぜひ、お運びください。よろしくお願いします。 開催中です 詩と写真展『記憶の 窓は水色の枠』 群馬県前橋市 ミニギャラリー千代田にて 3月20日から24日まで

開催中です。毎日私が滞在していますので、よろしければお立ち寄りください。