ごきげんいかが (1981.8.1)
「12月にお会いしてから、すっかりご無沙汰してしまいました」というフレーズ付きで出た、当時待望のアルバム。最も、この時期彼女のアルバムはほぼ6ヵ月周期となっており、やや遅れたか、という程度のタイミングである。しかし当時の私はだいぶ待たされたという印象をもったものである。
レコードを買ってきて「Good-byeシーズン」を聴いた時は、なんとも心が躍ったものである。
2曲目の「We Love バイキン君」。遊びの曲である。充電期間充分と見えて、アルバムづくりにも余裕があるという印象である。
「Silky Night」。女に「しょうがない人ね」と呆れられながら好き勝手をしている男の姿が浮かんでくる。こういう詞の中に、女の優しさというものをにじませてくるところが太田裕美の偉大なところである。
「涙のRainy Day」。このあたりから、彼女の歌に、イカす女、というイメージが出てくる。「途中下車の恋ならここで降りるわ」すごい。ちなみにこの曲彼女自身の作詞・作曲である。こんな凝った詞が平気で書けるのである。「バイキン君」で「も〜じもじ〜してドゥよお」なんて歌っている人と同一人物とはとても思えない。
他に、隠れた名曲との声もある「Silky Morning」も彼女の自作である。
「風たち」は10・29ライブのオープニングとなった、支持者の多い名曲である。
とはいえ、なんといっても、私はこのアルバムでは「Dreamy Night」を推したい。女の可愛さというものを見事に彼女のプリティ・ボイスが歌い上げている。これぞ太田裕美、乙女チック路線の集大成である。当時エンドレス・テープなるものの存在を知らず、何回もこの曲を続けて録音して聴いたものである。今でこそMDプレーヤーでREPEATすれば済む話だが、無論今はそんなことはしない。
ジャケットは絵になってしまっている。例によってあまり似ていない。実物の方が数段可愛いと思ってしまう。