アルバム寸評『裕美抄』
昔、大学ノートで、『裕美抄』なる詩集を作ったことがある。無論、高村光太郎の『智恵子抄』を真似たものだが、いやはや、よくもまあ、こんな恥ずかしいことをしたものである。大変なませガキである。今では手許に残っていないが、中身も赤面もので、とても人様に見せられるような代物ではなかった。
しかし、その頃の気持ちは、自分でも呆れるくらい純粋だったのだと、今では思う。
あの頃に戻ることはできないが、少しでも当時を思い出しながら、今あらためて聴く「太田裕美ミュージック」の寸評をしていきたい。シングルは出た順序はおろか、すべてを漏れなく思い出すことも至難なので、とりあえずアルバムから寸評していきたい。
太田裕美アルバム論をここまで展開しているのはインターネット広しといえどもここだけである(公式サイトも含めて!)。これはいつの日か、大きな意義を持つものになると信じている。
1.未CD化4アルバムについて
先日、実家に行って来て、未CD化4アルバムをMDに収録してきた。
人情とは不思議なもので、CD化されていないのがこれだけとなると、無性に聴きたくなる。
7月に復刻した5アルバムは即ゲット、余勢を駆って既存の未購入CDはすべて月末にそろえたのだが、実家で「幻の4アルバム」を録音してから、ほとんどこれらを聴いていない。
決してみせびらかすわけではないが、アルバムレビュー開始にあたっては、これら「幻の4アルバム」の価値を世に知らしめる意味で、これら4アルバムから始めるべきであろう。
2.その他のアルバム
その他のアルバムについては、「弾き語り」「アイドル」「テクノポップ」などカテゴリー別に分類するつもりだったが、途方もないロードがかかることに気づいたので、1つづつ、順に書いていく。