東洋の神秘・愚零斗鯖奇、見参!

 私は、yahooの囲碁ラウンジでは、リングネーム(そうは言わないか…)を、「the_great_sabaki」と名乗っている。
 私の本来のHNは「YOTCHIE」だが、囲碁関係のサイトでは、「the_great_sabaki」の方で通している。これは、気分の問題だ。
 このニックネームは、わか人にはすぐわかるだろうが、全日本プロレスなどで活躍した往年の怪奇レスラー「ザ・グレート・カブキ」に由来する。略して、「サバキ」と読んでほしい。
 「東洋の神秘」とか言って、不気味な雰囲気でも醸し出そうとしたのだが、やはりそこは三枚目系の碁であり、実力が伴わず「盤上のお笑い芸人」と化しているのが実状だ。
 せめて登場の時はカッコつけたい。もしyahooで私を見かけたら、どうか部屋の電気を暗くして、それらしい雰囲気を出してほしい。すると私は、本項の見出しの文句を入力する…。
 うーん、「一人でやってくれ」と言われそうだ。
 ちなみに、見出しの当て字は、カブキと同様、ペイントレスラーの「グレート・ムタ」がよく使う当て字の「愚零斗夢多」を真似したものだ。サバキだと、ちょっと情けない当て字になるのはやむをえない。
 「カブキ」と「サバキ」だと、最後の1文字「キ」しか合っていないではないか、などと言われそうだが、「朝マデ飲ムカ、フジワラノリカ」だって「カ」しか合っていない。それよりは、なんとなく雰囲気が出ているだけマシだ、と自分では思っている。
 カブキを知らない人は、とにかく一度、全日のビデオか何かで見てみてほしい。


『悲惨の譜』〜「一碁一会」の仲間との名勝負(珍勝負?)自戦記

 このタイトルももじりだが、何のもじりだかおわかりだろうか。
 そう、あの超個性派棋士・藤沢秀行名誉棋聖の『飛天の譜』である。
 私の碁は、昔から、勝っても負けても悲惨な譜が多い。力碁の時代から、シノギ派に転向した今でも、その傾向は変わらない。大学の囲碁部で、八子置いて(選手クラスの人は恐ろしく強い。アマ二段格を自称する私も七子局などざらだった)一スミ丸取られになって、大石を取って逆転するなどがいい例である(普通こんなにたくさん置いた碁で序盤早々石を取られたら楽敗である)。
 実際に学生時代に『悲惨の譜』を方眼ノートで作ったのだが、惜しいかな紛失してしまった。
 最近ネット碁を始め、「囲碁サロン一碁一会」に入れてもらったのを機に、今度はネット上で『悲惨の譜』を公開しようと思う。
 当分の間は、棋譜の表現方法がいいものが思いつかないので、棋譜なし・感想のみの欲求不満な内容にならざるを得ないが、雰囲気だけでも味わって頂ければ幸いである。

※1999年12月、ついに「囲碁松ちゃん」が使えるようになりました。ヽ(^o^)ノ
 今後アップする棋譜は、同ソフトを用いて作成することにします。(参考図はこれまでどおりテキスト)
 

悲惨の一・「ランク別トーナメントA段戦・2回戦」

 Winafoo_foohon vs the_great_sabakiLose

  序盤から乱戦模様になるが、さすがyahooでは有名なfoohonさん、強い。私も徹底してシノギにまわった。だが、途中である事実に気がつき愕然とする。地では優勢に立たねばならぬこちらの方が地がないのだ!シノギ碁にあるまじき失態である(じつは私はこれをよくやる)。
 必死に狙いをさがし、食らいついた左下隅。ここでついにfoohonさんが間違える。手になりようもない堅陣が手になったのだ!おそるべしサバキ…。
 だが、これに先立って、左辺でサバキは俗な出を打っていた。

(図―周囲の形はまったく不明)
 ┌┬┬┬┬┬┬┬ 
 ├┼┼┼┼┼┼┼  こんな形だっただろうか…。
 ├┼○○┼┼┼┼  なんと私は、ここでイと打ったのだ。
 ├┼┼●●●┼┼ その心は、黒aと換わり、ついでbの
 ├○○イa┼┼┼  ノゾキを利かして、下方のシノギの
 ├┼●●ロ●┼┼ たしにしようというのだが、当然黒が
 ├┼┼┼b┼┼┼ aなどと打つはずがない。横で見ていた
 ├┼┼┼┼┼┼┼ 妻(九路盤四子で私といい勝負)に「黒
 ├┼┼┼┼┼┼┼ ロ」と指摘されて、愕然とした(もちろ

んその時は「ロ」なんて言わなかった)。なんという筋悪な読みだ!黒がaなんて打つわけないじゃないか!そもそも、本当にそう受けられても、はたしてbが利かしになるかどうかも怪しいものだ…。
 ズバリ、敗着はこの出である。この後は、もはや白に勝ちがなくなっている。

  左下で手になり、そのかわり薄くなった中央の白の一団のシノギが勝負となったが、白イと黒ロの交換があるために、白にシノギがなくなったのだ。げに十三路盤の恐ろしさをまざまざと語る1局であった。

(サバキのひとこと)
 観戦されている皆さん!今後こういう手を目撃した時は、いっせいに「え〜っ!?」「なにそれ〜!?」「そんな手が碁にあってたまるか!」など、おおいにブーイングをしてください。こんなのは非難に値するとんでもない手です。「人の手をそんな風に馬鹿にできない」とも思われるかも知れませんが、こういう手を打った時は、いっそ思い切り馬鹿にされた方がむしろ救われるような気がします。自分も思い切り笑えますから。(^^ゞ
 

悲惨の二・「ランク別トーナメントA段戦・1回戦のリベンジマッチ」

 Win●SN056JP vs the_great_sabakiLose

  トーナメントでは、豪腕を発揮し、勝利寸前までこぎつけながら1手バッタリの手で好局を落としたSN056JPさん。リベンジをかけての1局である。
 かたやサバキは、「リベンジを受けて立つ側にまわってみたい」という邪心で、自らfoohonさんに挑むよりも優先してこの対決に臨む。なんという不敵な奴だ!
 さて、対局は、例によって黒の攻め・白のシノギという展開になった。力戦派のSN056JPさん、シノギのサバキ、ともに思い通りの展開だ。
 しかし、この間どうも、サバキのシノギが冴えない。「本当にシノげるの?」「いつ活きに行くの?」との疑問が深まる中、ますますSN056JPさんの豪腕が冴える。
 もはや形勢は絶望的…と思われた瞬間、思わぬサバキの“勝負手”が炸裂する。なんと、チャットで「コウにしましょうよ!」と呼びかけたのだ。黒は金持ち喧嘩せず、コウはどう見ても白の花見コウだ。そんなもの応じるわけがない。せこいぞサバキ!さすがヒール(悪役)の面目躍如だ。
 「んなわけないでしょ!」の一言でSN056JPさん、あっさり手を入れ、見事リベンジを果たした。
 以後、sn氏はsabakiの宿敵として数々の抗争を繰り広げることになる。yahoo碁版・「名勝負数え唄」である。
 

悲惨の三・「sabaki背水のリベンジマッチ」

 Winthe_great_sabaki vs hiromistarsLose

(『格闘技通信』風)
  これまでに、こうも地位が逆転した組み合わせがあっただろうか…。ほんの1ヵ月弱前、両者は初対決した。その当時から攻撃的なhiromistarsのファイトではあったが、sabakiはまったく問題にせず一蹴した。貫禄勝ち――碁にさせなかった、と言ってもよい。しかし、それからわずか2週間後、1999年9月下旬、sabakiの「悪夢の日」は突如訪れた。まさか、しばらくは挑戦してくることなどあるまい、と思われた、それほどsabakiが痛めつけたはずのhiromistarsが、sabakiに挑んできたのだ。そして――宿敵・sn056jpの目の前で、sabakiは惨めな姿をさらすことになる。コーナーに詰まったsabakiに、hiromistarsのハンマーパンチの雨が襲いかかる。sabaki棒立ち、サンドバック状態だ。そしてついにタオルが投げ込まれる…。まるでマイク・ベルナルドと初対決した時のアンディ・フグのごとく、sabakiは惨敗した。敗戦後、失意のsabakiは「俺の時代は終わった」とまで言った(←だから、いつがお前の時代だったんだ?)。
 そして、9月24日。すでに「格上」に挑む立場で、sabakiは3度目の対戦に臨んだ。チャレンジャー精神――今のsabakiにあるのはそれだけだ。
 黒番sabaki、慎重な立ち上がり。相手は名うてのハードパンチャー、1発もらえば即終わりだ。序盤から、豪腕パンチがうなりをあげてsabakiを襲う。sabaki、ガードを固めるのが精一杯だ。しかし、勝負に出なければジリ貧なのも明らかだ。中盤、ついにsabakiが勝負に出る。左辺へ気合の打ち込み――。これをシノげば勝ちだ。白の猛攻――。必死にシノぐsabaki――。上辺までなだれ込んだ黒に対し、白はじっくり鉄柱。「絶対にKOする」という気迫が伝わってくる。すさまじいプレッシャーだ。もはやsabakiは防戦一方――。しかし、ここで黒が左辺の2子から、2線への両ハネを決めてカケツいで一眼確保をした時に、白が間違える。キリを打って持ち込んだのだ。やはりこういう「知っているか知らないか」が問題となる局面になるとどうしてもキャリアの差が出てしまう。そしてこのショックが白に尾を引いたのか、黒は辛くも活きを確保する。地合いは黒有利。しかし、黒の地中に白が打ち込む。実戦を重ねるうちに、攻め一辺倒ではなく、侵略やサバキに豪腕を利する術もしっかり身につけている。sabakiは自陣を手にさせるわけにはいかない。1手1手が、sabakiに形容しがたい圧力をかける。しかし、最後はかわしきった――。
 終局後、感涙にむせびながら喜びを全身で表すsabaki――。「金星」との発言まで飛び出した。
 時代の流れは明らかにhiromistarsにむいている。恐らく、これがsabakiにとってこのカードで勝つ最後のチャンスだっただろうというのが、大方の予想である。そしてsabakiは、決めるべきところで見事に決めた。「運も実力のうち」そううそぶく表情には、すでに「悪役」の風貌が復活していた。
 

悲惨の四・「yamasaki_kさんとの初対決」

 Win●yamasaki_k vs the_great_sabakiLose

  この碁はぜひ棋譜でとりあげたい。充実著しいyamasakiさんという相手に恵まれ、自分でも好局が打てたと自負している。

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悲惨の五・「天敵にエールをこめて」

 Lose●hiromistars vs the_great_sabakiWin

  これはいずれ「sabaki越え」を果たすであろう後進へのエールである。若い人が伸びるさまを見るのはいいもんじゃのう…。

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悲惨の六・「対あふうさんリベンジ戦」

 Winthe_great_sabaki vs afoo_foohonLose

  「ヘビー級」実力者あふうさんへのリベンジマッチ挑戦記。内容充実の1局!

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悲惨の七・特別企画「正義軍対極悪軍6人タッグ碁」

 Win●(極悪軍)           ○(正義軍)Lose
            happynobu             toubi
            sn056jp          vs    hiromistars
            the_great_sabaki       yamasaki_k

  「極悪師匠」happynobu率いる悪役軍団と、正義の師匠(本当にそうだったのだろうか…)toubi率いる正義軍との
 血で血を洗う乱闘譜。
 各選手の思わぬ人間性(!?)も明るみに出た、yahoo碁ファン必見の一局!

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悲惨の八・宿命の対決「異例の名局」

 Losesn056jp vs the_great_sabakiWin

  「宿敵」(といっても同じ軍団になっちゃったんだよなぁ…)sn056jpさんとの、宿命の対決から、
 ちょっと異色の展開になった碁をアップ。
 派手な乱闘はなく、お互い、「ちょっとした名局」ではないかと自負しています。(^^ゞ

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悲惨の九・「正義軍対極悪軍6人タッグ碁・リベンジ戦」

 Win(極悪軍)           ●(正義軍)Lose
            happynobu             toubi
            sn056jp          vs    hiromistars
            the_great_sabaki       yamasaki_k

  悪の天下を打ち破るべく、「秘密作戦会議」で練りに練った作戦を秘めて、リベンジマッチを挑んだ正義軍。
 返り討ちにせんものとこれを迎え撃つ極悪軍団。
 KO一直線の激戦が再び幕を開ける…。

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